沙村広明さんは、実写『無限の住人』について、具体的な希望はなく、三池崇史監督に任せたと話しています。
台本の確認を依頼された経緯も回想しており、撮影現場を訪ね、完成した映画への感想も語りました。
2017年の取材やトークから、原作者として関わったことと、監督や役者が実際に作ったことをたどります。

木村拓哉主演と知らされたとき、台本の確認も頼まれた
藤本タツキさんとの2017年の対談で、沙村さんは、それまでにも映画化の話があったものの、実現してこなかったと話しています。
そこへ突然、木村拓哉さんを主演に撮るので、台本を確認してほしいと言われました。
郵送では間に合わないため、台本はバイク便で送るという話でした。
沙村さんは、初めて聞いた話なのに、そんなに急ぐのかと驚いたそうです。
映画公開後の本人インタビューでは、実写化への具体的な希望はなく、三池監督に任せたと答えています。
撮影現場で、着流しとわらじの木村拓哉を見た
沙村さんは、太秦の撮影現場も訪ねています。
三池監督との2017年のトークでは、万次と閑馬永空が戦う場面の撮影を見たことを振り返りました。
寒い時期に、沙村さんは防寒して訪ねていました。
木村さんは、着流しにわらじで撮影しています。
木村さんがその服装で撮影する姿を見て、感謝の気持ちが湧いた、と沙村さんは話しました。
木村さんからサインを求められたときには、寒さで手がかじかみ、緊張もあって、文字をうまく書けなかったそうです。
木村さんは、そのサインで頑張れる、と返しました。
沙村さんは、後からでも書き直したいと、観客の前で笑い話にしています。
特殊な武器の立ち回りを、撮影現場で相談して作った

映画の殺陣を担当した辻井啓伺さんは、当時のインタビューで、多彩な武器をどう見せるかがテーマだったと話しています。
監督や木村さんに立ち回りを見せ、その反応で変えながら、万次が動きやすいように考えたという説明です。
ラストの戦闘には画コンテがあった一方、その間をどう動くかは、監督と相談して作っていました。
武器を持った万次をどう動かすかは、監督、殺陣師、木村さんたちが撮影現場で考えていたのです。

映画を観た沙村広明が、木村拓哉を万次として評価した
完成した映画について、沙村さんは、原作よりも重苦しく感じるが、そのアレンジで正解だと話しています。
長い連載では緩んだ空気もあった作品が、厳しい復讐の物語であることや、万次が苦しみながら戦うことを思い出してほしいという説明でした。
トークでは、沙村さんは木村さんの演技を、万次のかっこよさと、無様で汚いところの両方ができると評価しました。
次に万次を描いたら、木村さんの顔に似るかもしれないと冗談も言っています。

まとめ
沙村さんが描いてきた万次を、木村さんが、かっこよさも無様さも持つ人物として演じる。
三池監督に任せた映画には、原作者自身が役者の仕事に感謝し、次に描く万次の顔が木村さんに似るかもしれない、と冗談を言う出会いもありました。
自分が描く人物を、映画の役者がどんな姿で見せてくれるか。
それを楽しんだ沙村さんの反応も、この実写化のエピソードです。


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