『森山大輔画集 CHRONICLE』は、『クロノクルセイド』『ワールドエンブリオ』の絵を中心に、小説の挿絵やゲーム関連のイラストまで収めた画集です。
一つの漫画のファンブックというより、森山大輔さんがさまざまな仕事で描いてきた絵を集めた一冊といえます。
ロゼットやクロノを好きになって森山さんの名前を覚えた人も、漫画以外の仕事に触れられます。
今回は、収録作品と公開されているページから、この画集の見どころを見ていきます。

『CHRONICLE』は2012年までの画業を集めた画集
『森山大輔画集 CHRONICLE』は、2012年に刊行されたA4判・208ページの画集です。
200点以上の絵を収録し、出版社の紹介には『クロノクルセイド』『ワールドエンブリオ』『妄想奇行』、小説の挿絵、刊行当時に未公開だった『Fate』イラストが挙げられています。
この『Fate』の絵は、森山さんによる漫画版『Fate/stay night[Unlimited Blade Works]』の単行本が2022年に出るより前の仕事です。
刊行当時の森山さんの仕事を、漫画とイラストの両方から見渡せる本です。
森山さんの漫画作品の順序や共同制作の役割については、代表作と作品歴の記事でも整理しています。
『クロノクルセイド』では、一人の姿と集合絵を見比べられる
収録されている表紙絵では、修道服のロゼットが両膝を曲げ、銃を手にした姿で大きく描かれています。
隣のクロノも、武器を携えた姿です。
二人の服装と体の動きを、一枚の絵として眺められます。

一方、複数の人物を組み合わせた絵では、ロゼットとクロノの周囲に、アズマリアやほかの登場人物が配置されています。
手前の大きな人物、奥の小さな人物、背景の建物まで、一枚の中に描き込まれています。
一人ずつの服や表情だけでなく、複数の人物をどう配置した絵なのかにも目を向けられます。

『ワールドエンブリオ』では、丸い背景と人物の動きに目が向く
『ワールドエンブリオ』の表紙絵では、丸い背景に人物が重ねられています。
陸が小さな子どもを抱く絵も、複数の人物が背中合わせに見える絵も、人物の後ろに円形の模様があります。
人物の全身を円の中に収めるのではなく、陸の腕や抱えた子どもの脚が、背景の円から外へ伸びています。

小説の挿絵やRPGの仕事にも目を向けられる
森山さんの絵の仕事は、自分の漫画の表紙だけではありません。
画集には、小説『天高く、雲は流れ』に関わる絵や、カードゲーム、RPG関連のイラストも収められています。
鎧、剣、杖などを持つ人物や、ファンタジーの衣装を着た人物が並ぶページでは、漫画の代表作とは違う顔ぶれに出会えます。


まとめ
『CHRONICLE』は、好きな漫画のカラー絵を眺めながら、その漫画の外で森山大輔さんが描いてきた仕事にも触れられる画集です。
『クロノクルセイド』や『ワールドエンブリオ』を入口にして、挿絵やゲームの絵にも興味が広がる。
一つの作品を好きになった読者が、同じ作者の別の仕事へ進むための一冊にもなります。


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