『タッチ』の上杉和也が亡くなる展開は、あだち充さんが早い段階から決めていたものでした。
本人は『あだち充本』のインタビューで、和也の死から、この漫画が始まると考えていたと話しています。
一方、発表後に寄せられた読者の反応の大きさは、作者の予想を超えていました。
和也の死から始まる物語を考えていた
『タッチ』は、双子の上杉達也・和也と、幼なじみの浅倉南を中心に描く青春漫画です。
『週刊少年サンデー』では1981年から1986年に連載されました。
弟の和也を失った後も、物語は兄の達也を中心に続いていきます。

あだちさんは、2018年刊の『漫画家本vol.6 あだち充本』で、和也が死ぬことは早い段階から決めていたと振り返りました。
決めた年月までは、この発言では明かしていません。
本人は「このマンガはそこから始まる」とも語っています。
あだちさんは、和也を失った後を、この作品の始まりとして捉えていたのです。

同じインタビューでは、担当編集者以外の多くの人から、この展開に反対されたとも振り返っています。
それでも、あだちさんは引き返せないと考えていました。
作者には、和也がいなくなるところを越えて、描きたい物語があったのです。
抗議電話の多さは、作者にも予想外だった
少年サンデー公式サイトの「自作を語る」にも、あだちさんによる和也の死の回想が残っています。
連載中に和也が亡くなると、編集部にはたくさんの抗議電話がかかってきました。
あだちさんは、担当編集者に迷惑をかけたと振り返り、自分も、そこまでの反応は予想していなかったと話しています。

和也の死を決めていた作者にも、読者の受け止め方まで分かっていたわけではありません。
長く読まれるようになった『タッチ』を振り返る言葉の中に、当時の驚きも残っているのです。
まとめ
達也が甲子園を目指す理由には、南と亡き弟への思い、そして自分自身のためという気持ちが重なっています。
和也の死は、その後を生きる達也へと物語を進める転機です。
あだちさんが、そこから漫画が始まると語った言葉には、弟を失った後の達也まで描こうとした構想が表れています。

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