徳弘正也と尾田栄一郎の師弟関係|『ターちゃん』の一コマから学んだ描き分け

尾田栄一郎画集COLOR WALK 7 TYRANNOSAURUSの表紙。恐竜と麦わらの一味。 徳弘正也
尾田栄一郎『ONEPIECEイラスト集 COLORWALK 7 TYRANNOSAURUS』/集英社。

尾田栄一郎さんは、『ONE PIECE』の連載前に、徳弘正也さんのもとで『新ジャングルの王者ターちゃん』のアシスタントを務めていました。
二人の関係を具体的に知る手がかりが、尾田さんの描いた群衆の一コマです。
尾田さんはその仕事をきっかけに、人物を輪郭で描き分ける大切さに気づいたと振り返っています。

『新ターちゃん』を手伝っていた尾田栄一郎

尾田さんがアシスタントを経験した漫画家には、甲斐谷忍さん、徳弘さん、和月伸宏さんがいます。
徳弘さんの仕事場は、甲斐谷さんのもとを離れた後、和月さんの『るろうに剣心』を手伝う前に働いた場所でした。

徳弘正也『新ジャングルの王者ターちゃん』第1巻の表紙
徳弘正也『新ジャングルの王者ターちゃん』第1巻/集英社。 出典

群衆を描いて気づいた、同じ輪郭の問題

徳弘さんの依頼で、尾田さんは大勢の人々が並ぶ一コマを描きました。
尾田さんは、任されたことを喜んで描いたものの、後に掲載された絵を見て、顔の形を描き分けられていなかったことに気づいたといいます。

新ジャングルの王者ターちゃんの群衆のコマ。多数の人物の顔が小さく並ぶ。
徳弘正也『新ジャングルの王者ターちゃん』より。尾田栄一郎がアシスタント時代に描いた群衆のコマ/集英社。 出典

2016年の画集『COLOR WALK 7』の師弟対談で、尾田さんは、その後いろいろな輪郭を描き、違う顔を作る練習をしたと振り返っています。
徳弘さんも、小さく描く人物の集まりほど、形を変え、デフォルメして描く必要があると応じています。

徳弘さんのもとでのアシスタント経験に続いて、尾田さんは和月さんの仕事場へ移り、武井宏之さんら、後に連載を持つ若い漫画家たちと仕事をすることになります。

二人の対談は『COLOR WALK 7』に収録

師弟対談を収録しているのは、2016年刊行の『ONEPIECEイラスト集 COLORWALK 7 TYRANNOSAURUS』です。
『ONE PIECE』のカラーイラスト80点以上に、二人の対談や設定画などを収めた画集です。

尾田栄一郎画集COLOR WALK 7 TYRANNOSAURUSの表紙。恐竜と麦わらの一味。
尾田栄一郎『ONEPIECEイラスト集 COLORWALK 7 TYRANNOSAURUS』/集英社。 出典

2025年刊行の『ONE PIECE magazine 020』にも、徳弘さんとの対談の再録があります。
同号には、甲斐谷忍さんや和月伸宏さんとの対談も再録されています。

ONE PIECE magazine 020の表紙。椅子に座るルフィと週刊少年ジャンプの特集。
『ONE PIECE magazine 020』電子版の書影/集英社。 出典

まとめ

群衆を大勢描くことと、一人ひとりを別の人物に描くことは、別の課題です。
尾田さんが徳弘さんの原稿で気づいた課題は、その後の練習につながり、人物を輪郭で描き分けるという作画の大切な軸になりました。

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