徳弘正也さんの漫画では、シリアスな物語の途中にも、設定を説明している最中にも、笑いが入り込みます。
『新ジャングルの王者ターちゃん』には、博士が古代文明を語る横で、ターちゃんが読者を気にし、ヂェーンがポーズを取る場面があります。
大切な説明と、ふざけた仕草が、同時に描かれているのです。
博士の説明が続く横で、ヂェーンがポーズを取る
博士は、ルシュ王国の文明について、象形文字や暦、建築技術の話をしています。
その横で、ターちゃんは読者がついてこられているかと、漫画の外へ呼びかけます。
さらにヂェーンは、水着姿の女性が表紙に描かれた本を持ち、自分もその横でポーズを取っています。

博士の話は、その間も続いています。
文明についての情報を知るコマの中に、説明から脱線した笑いもあります。
笑う場面と話を進める場面が、同じページに重なっています。
格闘の動きを、プロレスラーはどう読んだか
徳弘作品のファンであるプロレスラー、エル・デスペラードさんは、2022年のインタビューで、漫画やプロレスの土台がしっかりした上に、下ネタや笑いがある面白さを語っています。
『ターちゃん』の戦いでは、体の動かし方に違和感を覚えないとも評価しました。

ターちゃんの後ろ回し蹴りも、脚を上げた姿勢から、体の向きを変えて蹴りを入れるまでが描かれます。
デスペラードさんは、こうした体の描き方にも目を向けて、徳弘作品の笑いを楽しんでいます。
青年誌の作品にも、笑いと苦さが残る
デスペラードさんは、『狂四郎2030』や『バンパイア』のような暗い作品にも、頻繁にギャグが入ることを評価しています。
同時に、徳弘作品の主人公たちが、強くても自分の力では解決できない問題に悩む点を、続くインタビューで話しています。
デスペラードさんが例に挙げるのは、『黄門さま~助さんの憂鬱~』で、強い助さんが光圀の権力に逆らえないことです。
光圀の言葉を受けた男が、汗をかきながら従う場面にも、その力関係が表れています。

笑いの多さと、人物が置かれた状況の厳しさが、一つの作品の中にあります。
徳弘さんが描いてきた作品の広がりは、初期からの作品一覧でも紹介しています。
まとめ
デスペラードさんが面白さの土台として挙げたのは、漫画や格闘をしっかり描く力でした。
博士の説明とヂェーンのポーズが並ぶ場面を見ると、真面目に描く技術と笑わせる技術が、同じページで働いていることが分かります。


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