『KYO』は、原作・たかしげ宙さん、作画・皆川亮二さんによる、全1巻の漫画です。
『スプリガン』と同じ二人が、今度は天才少年と警官を組ませ、科学技術を使った犯罪に挑ませます。
主人公は12歳の保科恭と、25歳の久我山鏡。
二人とも名前の読みは「キョウ」ですが、仕事への向き合い方はずいぶん違います。

自信満々の12歳と、留守番をしたい25歳
恭は、アメリカの大学で三つの学位を取った、IQ250の少年です。
帰国すると、警視庁の科学特捜課が扱う連続爆破事件へ関わることになります。
そこで会うのが、職場で格闘ゲームをしている鏡でした。
初対面から、恭は鏡のゲームの攻撃パターンを批評します。
鏡が、ここは子供の遊び場ではないと言い返しても、恭はひるみません。
しばらく自分が鏡の上司になる、とまで告げるのです。
鏡は鏡で、現場へ出るのを嫌がり、自分は留守番係だと言い張ります。
人事資料を読んだ恭は、鏡の評価が最低だと本人に伝えてしまう。
少年が大人を遠慮なく批評し、大人は少年にむっとする。
捜査の前から、二人のぎくしゃくしたやり取りが始まっています。
超古代の遺産を巡る冒険から、科学犯罪の捜査へ
『スプリガン』の御神苗優は、超古代文明の遺産を巡って戦う工作員です。
『KYO』では、街で起きる犯罪が、恭と鏡の捜査の対象になります。

最初の「見えない爆弾」は、建物が爆発する場面から始まります。
恭が現場を調べて爆発の原因を考えているところへ、次の犯行予告が届く。
原因を探るだけでなく、これから起こる爆発にも対応しなければならず、話が動いていきます。
小学館の作品紹介も、科学技術を使う知能犯に挑む漫画として案内しています。
同じ作者コンビの作品を、今度は科学犯罪の捜査から楽しめる一冊です。
全1巻に五つのFILE。最初の掲載は学年誌だった
目次には、次の五つのFILEが並び、それぞれ前編と後編に分かれています。
- 見えない爆弾
- 沸騰死
- 冷凍死
- 振動
- 天才vs天才
最初の「見えない爆弾」前編の末尾には、『小学五年生』1995年3月号に初掲載と記されています。
『スプリガン』の連載時期に、同じコンビが学年誌にも別の漫画を発表していたのです。
二人の制作上のやり取りも知りたければ、別作品の『スプリガン』での原作と作画の分担も読めます。
まとめ
事件の謎が気になる人には爆破事件の捜査が、バディものが好きな人には恭と鏡の会話が、読み始めるきっかけになります。
冒頭では、天才少年が大人を批評するたびに、鏡がどう言い返すかも気になってくる。
『スプリガン』でこのコンビを知った人が、事件の規模や舞台の違いだけでなく、二人の掛け合いから次の一冊を選ぶ楽しみもある作品です。


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