『天』僧我はなぜ三萬を先に捨てたのか――和了後に点数を変える裏ドラの仕掛け

リーチ・ツモ・ドラ三で赤木を逆転する僧我 天 天和通りの快男児
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第6巻。

赤木との予選で、僧我は四萬を三枚持ちながら三萬を捨てる。
三萬は四萬とつながり、三色を狙う形にも使える牌だった。
僧我はその可能性を捨て、ほどなくリーチする。

僧我が白をツモると、手はリーチとツモだけの三千九百点だった。
赤木には届かない。
ところが裏ドラを開いた後、三枚の四萬がドラになり、僧我は赤木を逆転する。
先に捨てた三萬が、この点数の変化を仕込んでいた。

三色に使える三萬を、僧我は河へ置く

南三局、僧我と赤木の点差は六千二百点。
僧我には、一度の和了で逆転できるほどの点が必要だった。
僧我は三萬を切り、次に八萬を引いてテンパイすると、そのままリーチする。

三色に使える三萬を切る僧我
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第6巻。
三萬を切った次巡に八萬を引き、リーチする僧我
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第6巻。

ひろゆきには、僧我が打点の低い手へ急いだように見える。
西を暗カンしていても、和了役はリーチとツモだけ。
実際、白を引いた時点の三千九百点では、赤木との点差を埋められない。

白をツモり、六十符二翻の三千九百点となる僧我の手
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第6巻。
低い打点を疑問に思い、裏ドラに目を向けるひろゆき
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第6巻。

三萬は、四萬三枚をドラに変えるために使われる

僧我は裏ドラをめくる際、河へ捨てた三萬を拾って紛れ込ませる。
三萬がドラ表示牌なら、その次の四萬がドラになる。
僧我の手に残った四萬三枚が、まとめてドラ三枚へ変わるのだ。
裏ドラの表示を偽るイカサマである。

裏ドラの表示牌を開く僧我
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第6巻。
裏ドラの三萬と、表示牌の枚数に驚くひろゆき
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第6巻。

ひろゆきが気づくのは、二枚のはずの裏ドラが三枚になっていることだった。
さらに、僧我が六巡目に切った三萬が河からなくなっている。
僧我は本来の裏ドラを左手に握り込み、河の空いた場所へ戻していた。
役立つ三萬を先に捨てたのは、後でそれを裏ドラに使うためだったのである。

河から消えた三萬と、裏ドラへ混ぜる僧我の動作
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第6巻。
本来の裏ドラを左手に握り込み、河へ戻す僧我
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第6巻。

和了の形を作ってから、点数を増やす

僧我の手は、リーチ・ツモ・ドラ三に変わる。
三色を狙う可能性を捨てた手でも、和了した後の表示牌を変えれば、逆転に必要な点を得られたのだ。

リーチ・ツモ・ドラ三で赤木を逆転する僧我
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第6巻。

三萬を切る判断だけなら、僧我は打点を捨てたように見える。
その三萬を裏ドラへ移すところまでつながると、手に残す四萬と河へ置く三萬が、同じ仕掛けを支えていたと分かる。
捨てた牌を和了後の得点に使う、その時間差がこの逆転を生んでいる。

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