クリア麻雀は、天が勝利条件を満たすと同時に、味方のひろゆきを飛ばしてしまい、決着がつかない。
原田はそこで天に二人麻雀を提案する。
原田は何を求めて、さらに勝負を続けようとしたのか。
天はその原田を、最高の「時」を追いかけている男として語る。

一瞬でも、最高の充足を得たい
天が語る「時」は、原田が最高の充足を感じる瞬間のことだ。
天の見立てでは、原田は生涯に一度でいいから、その瞬間を迎えたいと望んでいる。
天は、その感覚がすぐに消えてしまうことまで語る。
長く続かなくても、その瞬間の充足は圧倒的だ。
天は、一度その感覚に近づくと、ほどほどの充実では足りなくなると説明する。

この見立ては、原田が天との決着を求めたことにつながる。
クリア麻雀の結果は、天に勝ったとも、天に負けたとも決められない。
原田はその状態から、天と直接争い、勝敗をつける場を作ろうとする。
天は、原田が東西戦の勝利だけでなく、打ち手として最高の充足を得ようとしていると見ている。
引き分けでは終われない原田の気持ちを、天はそう理解したのだ。
だからといって、原田が東西戦の利害を捨てたとまではいえない。
天と原田の勝負は、東西戦の決着をつける勝負でもある。
ここで変わるのは、原田が勝ちたい理由の見え方だ。
天は原田を、陣営の勝利を求める打ち手としてだけでなく、最高の時を味わおうとする一人の打ち手として理解している。
二人麻雀の提案は、勝敗を決める方法であると同時に、最高の時へ届こうとする原田の願いでもある。
天はその願いを、原田との対決の中に見ている。


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