赤木の墓は、最終回には大きく削られている。
全国の博打打ちが墓参りに来て、墓石の欠片をお守りとして持ち帰るからだ。
天はその行為を注意するが、天自身も、ひろゆきも、実は欠片を持っている。
ひろゆきは、みんなが欠片を通じて赤木と一緒にいるような気になっているのではないかと話す。
削られた墓には、死んだ後も赤木を身近に感じていたい人たちの愛着が表れている。
お守りにしたいのは、赤木と一緒にいたいから
墓石を削って持ち帰る人たちのために、墓は三分の一近くも失われている。
墓を大事にするなら、欠けさせるべきではない。
天が金光を注意するのも、そのためだ。
墓を削る人たちは、わざわざ墓まで来て、赤木の欠片を身近に置こうとしている。
ひろゆきはその行動を、赤木がみんなの胸に少しずつ散っていくこととして語る。
墓石をお守りにする行為に、死んだ後も赤木をそばに感じていたいという気持ちを見ているのだ。

天も赤木の墓へ、みんなが赤木を好きなのだから許してやってほしいと語りかける。
墓の形が崩れることには困っていても、赤木を慕う気持ちまでは退けられない。
天の言葉は、墓を削る行為への注意から、その行為に表れた愛着へと向かっている。
注意する天も、欠片を持っている
ひろゆきが天にも欠片を持っているのかと尋ねると、天は持っていると答える。
天から問い返されたひろゆきも、自分が持っていることを認める。
二人は、墓を削っていく博打打ちを外から眺めるだけの立場ではなかった。
自分たちもまた、赤木の欠片をそばに置いている人間なのだ。
天は馬鹿ばかりだと言いながら、赤木なら笑っているだろうと想像する。
その馬鹿の中には、天とひろゆき自身も入る。
二人のやり取りは、赤木を慕う人たちの困った振る舞いを、自分たちを含めて受け止める会話になっている。

通夜では、天やひろゆきが赤木本人と言葉を交わしていた。
最終回では、二人はもう返事をもらえない墓へ話しかけ、赤木ならどんな顔をするかを思っている。
墓の欠片には、お守りにしたいという博打打ちの願いと、赤木を身近に感じたい気持ちが重なる。
その気持ちは、墓を守ろうとしながら、自分も欠片を持っている天とひろゆきにも共通する。
天の「みんな好きなんだ」は、他の博打打ちの気持ちを代弁すると同時に、赤木を思う自分たちの言葉にもなっている。


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