赤木しげるの告別式へ来たひろゆきは、そこに赤木本人が現れたことに驚く。
赤木は、これから死ぬ自分のために葬式を開いていた。
なぜ、生きているうちに皆を集めたのか。
金光への説明を読むと、赤木が求めたのは、生前に別れの言葉を交わすことだったと分かる。

見送られる赤木が、皆に返事をする
ひろゆきは、花に囲まれた赤木の遺影を見ている。
ところが、告別式の後に現れた赤木は、ひろゆきに直接話しかける。
弔いに来た側が一方的に別れを告げるはずの場で、見送られる本人も言葉を返すのである。

赤木は金光に、死んでから人に集まってもらっても、自分には何が起きているか分からないと話す。
集まってくれるなら、死ぬ前に話しておくべきだというのが、赤木の考えだ。
この順序にすることで、仲間は赤木に問いかけ、赤木も自分の考えを伝えられる。
葬式は、赤木を失った人だけが故人を思い返す場から、本人と向き合う場へ変わっている。

金光は、決意を変えてもいいと伝える
生前葬を開いたからといって、赤木が心の底では説得されたがっていたと決めることはできない。
赤木本人が金光に説明しているのは、生きているうちに話す理由である。
一方、仲間が赤木に会えば、止めたいという言葉も当然出てくる。
金光は、自分の後に会う七人がそれぞれのやり方で引き止めるだろうと赤木に告げる。
そして、やめようと思ったなら、恥ずかしがらずに引き返してほしいと頼む。
すでに死ぬと宣言したことが、赤木の気持ちを変える妨げになってほしくないのだ。
赤木も、意地で押し通すことはしないと約束する。

金光は、これから続く会話を、結論が変わる余地のあるものとして赤木に受け取ってほしいと願っている。
赤木の決意を知ったうえで、まだ生きている赤木に言葉を届けようとしているのである。
最後には決断を変えなかった赤木も、天の訴えには救われたと答えた。
この別れの行方は、赤木の最期の決断と天の願いで詳しく読んでいる。
金光たちは、赤木を見送るだけの参列者ではない。
赤木が生きているうちに問い、止めたいと伝え、本人の返事を聞く相手になったのだ。


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