『天』二人麻雀のルール――大三元を止めた、待ち当ての関門

天の大三元は八萬単騎で、八萬を引けば役満となる 天 天和通りの快男児
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第13巻・第111話。

クリア麻雀で勝負がつかなかった東西戦は、天と原田の二人麻雀へ進む。
人数が二人に減っただけではない。
テンパイするまでの勝負と、テンパイした後の勝負で、二人の役割が変わる。
この違いを押さえると、天が大三元を張った場面でも、原田がまだ天の和了を止められる理由が分かる。

二人麻雀を提案する原田
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第12巻。

宣言した側が攻め、もう一人が待ちを読む

最初のステージAでは、天も原田も牌を引き、不要な牌を捨てながら手を作る。
どちらかがリーチ、またはテンパイを宣言すると、ステージBへ移る。
宣言した側が攻撃役となり、もう一人はその待ちを当てる守備役になる。
守備役は、相手より先に自分の手を完成させる勝負を続けるのではない。
相手が何を引けば和了れるかを読み、その和了を止めるのである。

守備役が指定できる牌は二種類。
その中に攻撃役の和了牌が一種類でも含まれていれば、看破成功となり、その局は終わる。
両面待ちでも、両方を言い当てる必要はない。
一方を見抜けば止められる。

機会を見送った天が十一巡目にテンパイを宣言する
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第13巻・第111話。

指定が外れた場合に、攻撃役は五回のツモの機会を得る。
その間に和了牌を引けば、ツモ和了ができる。
五回で和了れなければ、守備役がまた待ちを指定する。
看破とツモを繰り返し、攻撃役が和了るか、守備役が待ちを当てるまで争う。
ツモに使える牌が尽きれば流局になるため、攻撃役が和了牌を引くまで無制限に続くわけではない。

先に宣言すれば、自分の手をツモ和了させる攻撃役に回れる。
ただし、最初に与えられるのは五回のツモではない。
守備役の待ち当てが、その前に入る。
攻撃役にとっては手を早く作ることに加え、待ちを読まれないことも大切になる。

大三元でも、八萬を見抜かれれば和了れない

この二段構えがよく表れているのが、天の大三元だ。
天は八巡目に大きな手を引き入れ、その三巡後にテンパイを宣言する。
待ちは八萬の単騎待ち。
白・發・中をそろえた手は、八萬を引けば役満になる。

天の大三元は八萬単騎で、八萬を引けば役満となる
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第13巻・第111話。

原田は、天が八萬を引くのを黙って待つしかないわけではない。
原田には、その前に天の待ちを指定する機会がある。
そして最初の指定で、八萬を選ぶ。
天が用意した大三元は、役の高さを競って負けたのではない。
和了牌を引く前に待ちを見抜かれ、得点する機会を断たれたのだ。

最初の指定で八萬を選んだ原田に、天たちが驚く
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第13巻・第111話。

原田は、その後に天の捨て牌や中のカンに注目した読みを説明する。
ステージAで天が手を作るために選んだ行動は、ステージBでは原田が待ちを探る材料になる。
前半の手作りと、後半の待ち当ては、別々の勝負として切れているのではない。
天が何を残し、何を捨てたかが、原田に待ちを見抜かれずにツモへ進めるかどうかに関わってくる。

天の大三元と原田の読みが争うのは、役の大小ではない。
天が役満を和了れるか、原田がその前に待ちを突き止めるか。
テンパイから先を待ち当ての勝負に変えることで、二人麻雀は原田の読みにも、大きな手を止める力を与えている。

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