『BASARA』や『7SEEDS』を読み終え、田村由美さんの短編にも触れてみたい。
そんなときの一冊が、7本の読み切りを収めた『生命の熱量』です。
田村さん自身が好きだと挙げた短編も複数入り、紙の本では二つの長編を扱う別冊『鼓動』が付いています。
長編から好きになった読者にも、次に読む作品を見つけやすい内容です。

『生命の熱量』には7本の読み切りを収録
『生命の熱量』は、2013年に刊行された「フラワーコミックス マスターピーシーズ」の一冊です。
田村さんの読み切りをまとめ、カラー扉やイラストも収めています。
本編の収録作は、次の7作品です。
- 女神が落ちた日
- 4人の女
- 霧の家―公開されない3本の棘―
- 不幸作家と呼ばれたい
- 彼女は誰を殺したか
- きねづかん
- 踊る教室
巻頭の『女神が落ちた日』は、ヘリコプターが落下する切迫した場面から始まります。
カラーで描かれた機体と、操縦者の焦りが最初に飛び込んでくる導入です。
まず雰囲気を確かめたい人は、小学館の書籍ページから試し読みに進めます。
作者が好きだと挙げた4作品も、一冊で読める
どれから読もうか迷うときには、田村さんの言葉が手がかりになります。
2002年の公式インタビューで、田村さんは自作の読み切りについて、描きたいものを思い切って描けた作品が多く、どれも好きだと話しています。
そのうえで名前を挙げたのが、『きねづかん』『4人の女』『踊る教室』『霧の家』でした。
この4作品は、いずれも後に『生命の熱量』へ収録されました。
当時は収録先のコミックスや文庫を案内していた読み切りを、ここでは一冊で読めます。
知名度だけで選ぶのではなく、作者自身が気に入っている作品から読んでみたい人にも、選ぶ理由のある短編集です。
『BASARA』『7SEEDS』の読者には別冊『鼓動』もある
紙の『生命の熱量』は、箱入りの上製本として刊行されました。
別冊付録の題名は『鼓動―The Battles of BASARA/7SEEDS―』です。
小学館の刊行案内では、作者の語り下ろしインタビューとカラーイラストを通じて、両作の人物たちの闘いをたどる本として紹介されています。
本編の読み切りに加え、すでに読んだ長編を作者の言葉と絵で振り返れる構成です。
『BASARA』や『7SEEDS』への関心を、そのまま別の作品へ広げてみたい人には、この組み合わせが魅力になるでしょう。
また、本編にも発表時のカラー扉や、連載作品のカラーイラストを集めたギャラリーが入っています。
短編の筋だけでなく、田村さんのカラーの仕事も楽しみたい人に向く本です。
現在は電子版も案内されています。
紙の箱入り本や別冊を手元に置くことが目的なら、購入する商品の版と付属物を確認して選ぶとよいでしょう。
まとめ
『生命の熱量』は、長編を好きになったあと、田村さんのほかの作品へ進むために選びやすい短編集です。
出版社の紹介でも、苦しい状況でなお何かに挑もうとする人物たちが、本書の魅力として挙げられています。
作者が好きだと話した読み切りから入り、自分が惹かれる人物や物語を探す。
そんな読み方で、長編とは別の田村作品にも出会える一冊です。
作者の主な作品歴は、デビュー作から『BASARA』『7SEEDS』までの記事で紹介しています。




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