沙村広明の札幌取材|初めて食べたスープカレーと、使わなかった写真

アニメ 波よ聞いてくれで複数の料理が並ぶ食卓を囲む四人 沙村広明
アニメ 波よ聞いてくれ の食事の場面/©沙村広明・講談社/藻岩山ラジオ編成局。

沙村広明さんは、『波よ聞いてくれ』の取材で、初めてスープカレーを食べました。
それまでは、ルーのカレーのほうがうまいと思っていたものの、食べてみると別の料理だと感じ、「これはこれでアリ」と思ったと話しています。

札幌を舞台にした漫画の取材には、こうした食事の体験に加えて、撮ったまま使わなかった写真の話もあります。
2020年の本人インタビューから、現地で知ったことと、実際に漫画へ使ったものをたどります。

2020年のインタビューで話す沙村広明
沙村広明/2020年『波よ聞いてくれ』インタビュー、撮影:笹井タカマサ。 出典

沙村広明が初めて食べたスープカレーの感想

『波よ聞いてくれ』の主人公・鼓田ミナレは、スープカレー店で働いています。
沙村さんは、札幌でスープカレーが流行っていると聞き、ミナレの職場に選んだと話しています。
ラジオの仕事だけに話を絞らず、別の仕事も持つ女性を描きたいという考えでした。

ヘッドホンを着けマイクを持つ鼓田ミナレを描いた波よ聞いてくれ第1巻の表紙
原作『波よ聞いてくれ』第1巻/沙村広明、講談社、2015年刊。 出典

沙村さんは、それまでスープカレー自体を知らなかったそうです。
取材で初めて食べたときは、ルーのカレーとは別のものだと感じ、これはこれでいいと思ったと語っています。

沙村広明が支笏湖で撮った写真は、なぜ使われなかった?

札幌を舞台にした理由には、働く女性と恋愛を描く企画があります。
担当編集者が望んだのは、主人公が失恋して逃げ込める大自然でした。
沙村さんは、都会と大自然の両方を考え、札幌に決めたと説明しています。

沙村さんは、寒い中、北海道の支笏湖まで撮影取材に行きました。
ところが2020年の取材では、その写真をまだ一度も使っていないと話しています。

アニメ 波よ聞いてくれで大きく口を開けた鼓田ミナレ
アニメ『波よ聞いてくれ』のミナレ/©沙村広明・講談社/藻岩山ラジオ編成局。 出典

沙村さんが挙げた理由は、ミナレは失恋しても逃げず、暴言で乗り越えてしまうから、というものでした。

作中の注文メニューには、別のカレー店の知識が入った

沙村さんは同じ取材で、ラジオ局の麻藤たちがスープカレー店へ食べに来る場面についても話しています。
その注文メニューの元になったのは、講談社の近くにあるインドカレー店でした。

アニメ 波よ聞いてくれで複数の料理が並ぶ食卓を囲む四人
アニメ『波よ聞いてくれ』の食事の場面/©沙村広明・講談社/藻岩山ラジオ編成局。 出典

沙村さんは、インドカレーとスープカレーでは、メニューの組み立てが違うと話しています。
作中のメニューを、ついインドカレーで描いてしまった、という本人の回想でした。

まとめ

沙村さんは、支笏湖の写真が未使用である理由を、ミナレの振る舞いと結び付けて話しました。
失恋して自然へ逃げ込む女性を考えた企画で、ミナレは暴言で乗り越えてしまう。
写真の回想には、担当が考えた失恋の場面と、沙村さんが描くミナレがどう違うかという話も含まれていました。

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