『艶浪(あだなみ)「無限の住人」画集』は、沙村広明さんが描いたカラー画や鉛筆画を、百点以上収めた画集です。
2008年に講談社から刊行され、作者自身も本文の構成に携わっています。
単行本や雑誌に載った絵を、物語の続きを追うときとは違う読み方で、一枚ずつ眺められる本です。
『無限の住人』の絵が好きな人にとって、どんな画集なのかを紹介します。

雑誌の表紙やポスター、単行本の絵が集まる
『艶浪』は、講談社が刊行したA4判・128ページの画集です。
刊行時の紹介によると、単行本第1巻から第17巻までに描かれた画稿から、百点余りが収められています。
目次には、月刊アフタヌーンの表紙、折り込みポスター、連載の扉絵、付録、ポストカードブック、単行本の絵などが並んでいます。
別々の形で発表された絵を、一冊の画集で見られるようにしたのです。
漫画を読んでいるときには、扉絵の次に物語が始まります。
画集では、その絵から次の絵へと進み、人物の姿や描かれ方に目を向けられます。
カラーと鉛筆画では、どこに目が向くか
カラーの掲載ページでは、人物の着物や、その周囲に広がる赤い色が目に入ります。
同じ見開きの左右でも、使われた色や人物の姿によって、絵の印象が変わります。

鉛筆画では、顔や着物の陰影と、人物を包む淡い背景が見えてきます。
輪郭を追ったあとに、薄い濃淡の中へ目を向けると、花や衣服の細部にも気付きます。

掲載ページでは、人物の顔や体を大きく描いた絵を眺められます。
台詞や出来事を追う読み方から、一人の表情や姿を眺める読み方へ移れるのです。
沙村さんが鉛筆や筆ペンを選んだ理由を知ると、こうした線にも関心が広がります。
実際の手元を見たい人には、講談社が公開した扉絵の作画動画もあります。
まとめ
『無限の住人』では、戦いを追う途中にも、人物の姿そのものに目を留める絵が現れます。
『艶浪』は、物語を追う途中で見ていた人物や絵を、一枚ずつ眺めて楽しめる画集です。
次に何が起きるかを読むのとは違う時間で、沙村さんの色や線、人物の表情を眺められます。


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