光原伸さんは、『アウターゾーン』を描く時、ハッピーエンドにたどり着く方法を考え、そこから物語を逆算していたと語っています。
その作業は、本人にとってパズルを組むようなものでした。
怖い短編に、なぜハッピーエンドを求めたのでしょうか。
2026年の集英社のインタビューには、作品を楽しむ側で感じた不満と、作り手になって感じた難しさがつながる話があります。
悪党が勝って終わる作品を見ると、腹が立った
光原さんは、当時の漫画や小説のホラー系短編で、暗い結末が多いことを嫌っていたといいます。
最後に悪党が勝つ作品を見た時には、自分の漫画では「似たような悪党を消してやろう」と思った、と光原さんは話しています。
作品を見終えて嫌な気分になることへの不満が、光原さん自身の描きたい結末にも結び付いていたのです。
光原さんは、悲惨な結末にすれば評価されるのではないか、という作り手の思惑を感じることにも抵抗があったと話しています。
ハッピーエンドへ向けて、話を逆算する
光原さんは、短編なら主人公が死んでしまえば、それで話を終えられるとも説明しています。
けれど、本人はその終わらせ方に抗いたかった。
ハッピーエンドにするには、その形へたどり着く方法を考える必要がありました。
望む結末から逆に物語を組み立てる。
そのために、話の各部分をパズルのように考えていたのです。
一部分を直すと、物語全体に関わる
光原さんによれば、パズルのように組み合わせた物語は、ネームの一部分だけを変えにくい構成だったといいます。
どこかを直すと全体を組み直す必要がある、というのが本人の説明です。
光原さんは伏線を張ることも好きで、それをうまく回収できた時に喜びを感じていました。
初期の自信作として挙げたのが、第14話『わしはサンタじゃ!!』と第27話『見えない男』です。


思い通りに組み上がった手応えは、ネームを作る段階で分かることもあったそうです。
物語を仕上げた時の達成感が、毎回新しい話を考える連載の支えになっていました。
ネームと作画を並行して進めた制作工程でも、一つの台詞まで考え続けた仕事を紹介しています。
すべてを思い通りの結末にはできなかった
光原さんは、ハッピーエンドを目指していても、毎回その形にできたわけではありません。
時間の制約がある中で、望む終わり方にたどり着けなかった話もありました。
それでも、それまで見てきた映画やドラマも参考にしながら、ハッピーエンドにする方法を考え続けていたのです。
まとめ
光原さんにとってハッピーエンドは、物語を作り始める時の目標でした。
その結末へたどり着くために話全体を組むからこそ、本人は短編作りをパズルにたとえていたのです。


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