光原伸さんの『アウターゾーン』で、読者を不思議な物語へ迎えるミザリィ。
その案内役の参考になったのは、海外ドラマの語り手でした。
片目を隠すデザインには、『ゲゲゲの鬼太郎』の鬼太郎もヒントになっています。
2026年に公開された集英社のインタビューから、その誕生をたどります。
案内役の参考は、海外ドラマの語り手
光原さんは、子供の頃からテレビの洋画劇場を楽しみにし、海外のSFやホラーをよく見ていました。
外国人が主人公だと物語のフィクションらしさが増すという感覚も、その頃に身に付いたものだといいます。
後に『アウターゾーン』で外国を舞台にした物語を描きたいと思った背景には、そんな映画との付き合いがありました。
案内人の参考になったのは、『トワイライト・ゾーン』や『ヒッチコック劇場』です。
不思議な物語の最初や最後に語り手が現れる形式を、ミザリィの役割に取り入れています。
人物や舞台が替わる一話完結の連載で、ミザリィは読者をそれぞれの物語へ案内する存在になりました。
『マジック・セラー』の男性から、女性のミザリィへ
ミザリィが生まれる前にも、光原さんは同じような役割の人物を描いていました。
1989年の読切『マジック・セラー ~ラスト・コール~』に登場する男性の物売りです。

光原さんは、連載をもともと10回で終えるつもりだったことにも触れ、自分の描きたい女性を案内役にしたと説明しています。
『マジック・セラー』で男性が担っていた役を替え、ミザリィを作ったのです。
ミザリィに先立つこの読切は、『サランドラの壺 光原伸短編集』の収録作として読むことができます。
片目は鬼太郎、耳はエルフのように
光原さんがミザリィの片目を隠したのは、謎めいた人物は片目を隠している、という印象があったからでした。
その例として挙げているのが、『ゲゲゲの鬼太郎』の鬼太郎です。
一方、耳はキャラクターの特徴として、エルフのような形にしたと話しています。

髪色については、緑が魔女のイメージカラーだと知ったのは、色を決めた後だったといいます。
最初と最後だけに登場させる、という助言もあった
最初の5本のネームを作った時、光原さんは編集者から、ミザリィを登場させるのは毎回最初と最後だけでよい、と言われたそうです。
ただ、本人はその助言に従わなかったと振り返っています。
海外ドラマの語り手を参考にしつつも、ミザリィの登場位置を、その形だけには限定しなかったのです。
ミザリィは、後年の『アウターゾーン リ:ビジテッド』にも登場しています。
新シリーズ開始時の作品解説で光原さんは、絵柄は変わってもミザリィの性格はほとんど変わっていないと説明しました。

案内役を続けるミザリィの新しい物語については、『リ:ビジテッド』の作品と収録内容で紹介しています。
まとめ
ミザリィは、海外ドラマの語り手を参考にしながら、光原さんが自分の描きたい女性として作った案内人です。
10回を予定していた連載から生まれた彼女は、長い連載を経て、新シリーズでも読者を迎える役を続けています。


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