神威家の四男・勝広は、上の三兄弟より出来が悪いとされ、家では冷遇されてきた。
ところが、ホテルでの復讐では、その勝広が父の秀峰と兄たちを追い詰める。
父から低く評価されてきた息子が、父と上の三兄弟、その兄たちが頼る松井組を制圧していくのだ。
勝広は武器と防具を用意し、秀峰たちの逃げ道を塞ぎ、戦いを自分に有利な条件で進めている。
家で与えられた評価と、この夜に勝広が見せる準備や判断を分けると、勝広が恐ろしい相手になった理由が見えてくる。
家での序列が、そのまま実戦の優劣になるわけではない

秀峰の上の三人の息子は、勝輝が衆議院議員、勝信が県知事、勝幸がカムイの社長という地位に就いている。
勝広は三人と比較され、虐待を受けてきた。
神威家の中では、勝広は兄たちより下に置かれている。
一方、ホテルで求められるのは、目の前の危険へどう備え、相手の動きをどう封じるかという判断だ。
次男の勝信と三男の勝幸は森田に制圧される。
その二人より低く扱われてきた勝広が、武装して現れ、秀峰たちの命を握る側に回る。
家での序列をそのまま当てはめても、この力関係は説明できない。
勝広は、復讐を実行するための装備と退路の封鎖を用意した

勝広は、ショットガンなどの銃器だけでなく、防弾服とヘルメットも身に着けている。
松井組の組員たちを襲い、兄たちが頼る武力を先に奪っている。
秀峰も反撃する。
森田に制圧された次男と三男を見限り、二人を囮に使って弓を手にすると、勝広の足を射抜く。
勝広は一方的に攻め続けられたわけではないが、秀峰たちの逃げ道を仲間がゲートで塞いでいた。
秀峰は勝広に傷を負わせても、そこから逃げ切れない。
勝広は、相手を撃つことと、相手を逃がさないことの両方に備えている。
その準備があるため、秀峰が反撃の手段を得ても、父と上の三兄弟を捕らえるところまで復讐を進められた。
勝広は、邦男を巻き込めず発砲をためらった

勝広の判断には、弟の邦男を守ろうとする気持ちもある。
勝広が森田に銃を向けたとき、邦男は森田を背後から押さえている。
そのまま撃つと邦男にも当たるため、勝広は発砲をためらう。
秀峰はその隙を突き、勝広の喉を刃物で刺す。
武装と包囲によって優位に立った勝広が、最後は父に殺される。
その敗北には、目の前の弟を巻き込みたくないという制約がある。
秀峰は、息子がためらった瞬間にも攻撃を止めない。
家で冷遇されてきた勝広は、この夜には父と兄たちを捕らえる準備と判断を備えていた。
その勝広を倒した秀峰の一撃は、息子が弟を巻き込みたくないとためらった隙を利用したものだった。

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