新谷かおるさんは、『ふたり鷹』を真面目なバイクの物語にするつもりだったと話しています。
ところが連載では、主人公と母親の掛け合いを取り入れる方向へ動きました。
その後、読者の人気投票が上がったというのです。
最初は、真面目なバイクの話を考えていた
『ふたり鷹』は、沢渡鷹と東条鷹という二人の「鷹」を描く、耐久二輪レースの漫画です。
2024年の本人インタビューで、新谷さんは、冒頭にバイク事故で死亡者が出る展開を描いたところ、当時の編集長を驚かせたと振り返っています。

新谷さんは、当初は真面目なバイクの話にしようと考えていました。
しかし、描き始めてから方向転換が必要だと感じ、沢渡鷹と母・緋沙子による掛け合いを始めたそうです。
新谷さん自身は、それを母子漫才と呼んでいます。
母子の掛け合いが、少年誌の手応えを教えた
母子漫才を取り入れると、読者アンケートの人気投票が上がった、と新谷さんは話しています。
その反応から、これが少年誌のノリなのだと教えられたそうです。

新谷さんは同じ取材で、雑誌に連載していた頃は、編集部から読者の反応を聞き、それを参考に話の展開を決めていたとも説明しています。
人気投票を競う連載そのものも、レースのようだった
『ふたり鷹』は、雑誌の人気投票で最下位から始まり、やがて上位を競うようになったと新谷さんは振り返っています。
2021年の本人インタビューでも、高橋留美子さんの『うる星やつら』や、あだち充さんの『タッチ』と競った思い出を語っていました。

新谷さんの記憶では、『うる星やつら』は抜けなかったものの、『タッチ』は何度か抜いたそうです。
『タッチ』の野球の試合が終わったタイミングで、自分の漫画を山場に持っていくのがコツだった、と笑い交じりに話しています。

耐久レースを描く一方で、新谷さん自身も、同じ雑誌の作品を意識しながら、読者が盛り上がる山場を考えていました。
本人が『ふたり鷹』の執筆をレースになぞらえた話には、連載のそんな競い合いも含まれています。
まとめ
新谷さんにとって、読者の反応は次の話を作るための手がかりでした。
真面目なバイクの物語から、鷹と緋沙子の笑いへと話を広げ、山場の時期も考える。
『ふたり鷹』の制作秘話からは、描きたい題材を、少年誌の読者が楽しむ物語にしていく工夫が伝わってきます。


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