幽助に遊びを邪魔され、激しく反発したさやかが、その幽助に肩車されて泣いている。
叱ってもらうのも肩車も初めてで、うれしいのだという。
この涙には、気の強い少女が本当はどんな時間を欲しがっていたのかが表れている。
正太と離れたくなかった理由
さやかは、正太を夜ごと屋敷へ呼び出して遊んでいた幽霊だ。
正太の命が削られているため、幽助は二人を止めに入る。
ところがさやかは反発し、幽助を吹き飛ばしてしまう。

ぼたんが調べた生前のさやかは、幼い頃から療養所で暮らし、自宅で家族と過ごせたのも死の前の半年ほどだった。
その家でも両親は留守がちで、友達と遊ぶ子供たちをうらやんでいた。
屋敷におもちゃがあっても、一緒に遊んでくれる人はいない。
正太は、その願いをかなえてくれる相手だった。
さやかの寂しさは、正太と遊ぶうちに満たされていく。
幽助を再び吹き飛ばそうとしても力が出なかったのは、そのために邪気が薄れていたからだ。
幽助に叱られる前から、誰かと過ごすことでさやかの心は変わり始めていた。
幽助は、遊ぶ相手にもなった
幽助はさやかを叱ると、正太の代わりに自分が遊びにつきあうと申し出る。
成仏する前に、友達と遊んだ思い出を作らせたいからだ。
正太を連れていかせないために叱り、そのあとでさやか自身の願いにも応えている。

肩車をしてもらったさやかは、叱られることも肩車も初めてで、うれしいと話して涙を流す。
強気な態度を見せていたさやかも、肩車に喜ぶ一人の子供だった。
生前の寂しさを知ったあとでは、その涙から、こうして誰かにかまってもらう時間を待っていた気持ちが伝わってくる。
「幽助にいちゃん」と呼べる相手

後日、さやかは幽助に抱きつき、遊んでほしいとせがんでいる。
幽助を兄のように呼び、遠慮なく甘える姿には、幽助を慕う気持ちがそのまま出ている。
幽助は早く成仏してほしいとぼやくが、さやかはすっかり彼につきまとっている。
正太との遊びを止めた相手が、そのまま新しい遊び相手になった。
さやかにとっての幽助の魅力は、危ないことを叱ったあとにも、自分と一緒にいてくれたところにある。


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