赤木しげるから手を受け継いだ天は、和了牌の七索を引いても和了らない。
天は九索を暗カンし、いったんテンパイさえ崩してしまう。
ここから生まれるのが、飛龍地斬四暗刻だ。
天は、赤木が育てた手をどこへ進めようとしたのか。
赤木は、速い和了より手の成長を選んでいた
赤木の手は、最初から四暗刻の形だったわけではない。
出発点は、平和と一盃口の手だ。
赤木は、ドラの一筒を続けて引いたあとも、和了って局を終わらせる道を選ばず、さらに手を育てていく。
そして四枚目の九索を引いたところで、天に交代する。

天が引いた七索は、赤木が作っていた手の和了牌だった。
天には、赤木の手をそのまま和了りに結びつける道がある。
天はそこで、「あと4巡」「ムチャさせてもらう」と赤木に告げる。
赤木の返答は、「好きにするがいい」だ。

天のカンは、受け継いだ手を別の形へ変える
天が口にするのは、「予感がする。地の鼓動…」という言葉だ。
天は、その予感を頼りに七索で和了らず、九索を暗カンする。
カンの直後にはテンパイが崩れるが、嶺上から二筒を引き、八索を切ることで四暗刻のテンパイへ進む。
最後に引く七索もカンし、その嶺上牌の三筒で役満を和了る。

赤木は、順子を含む純チャンの形まで手を育てた。
天は、その和了れる形をいったん崩し、刻子をそろえる四暗刻へ進む。


銀次は、この手が四暗刻へ至る道を「細く険しい」と語り、理や知だけではたどり着けない闘牌として見る。
七索を見逃すとき、天自身が赤木に伝えたのも、予感がするという言葉だった。
赤木が育てた手の中に、天はまだ先へ進める道を感じたのである。
七索で和了れば、赤木が作った手を完成させる勝負になった。
天はその手を引き継ぎながら、形そのものを変え、四暗刻まで進んだ。
飛龍地斬の面白さは、二人が一つの手を分担したことに加えて、交代によってその手が別の姿へ変わっていくところにある。


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