『天』天はなぜ和了牌の七索を見逃したのか――赤木からつないだ飛龍地斬四暗刻

二人の闘牌を飛龍地斬四暗刻と呼ぶ場面 天 天和通りの快男児
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第8巻。

赤木しげるから手を受け継いだ天は、和了牌の七索を引いても和了らない。
天は九索を暗カンし、いったんテンパイさえ崩してしまう。
ここから生まれるのが、飛龍地斬四暗刻だ。
天は、赤木が育てた手をどこへ進めようとしたのか。

赤木は、速い和了より手の成長を選んでいた

赤木の手は、最初から四暗刻の形だったわけではない。
出発点は、平和と一盃口の手だ。
赤木は、ドラの一筒を続けて引いたあとも、和了って局を終わらせる道を選ばず、さらに手を育てていく。
そして四枚目の九索を引いたところで、天に交代する。

平和と一盃口の手からさらに手を育てる赤木しげる
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第8巻。

天が引いた七索は、赤木が作っていた手の和了牌だった。
天には、赤木の手をそのまま和了りに結びつける道がある。
天はそこで、「あと4巡」「ムチャさせてもらう」と赤木に告げる。
赤木の返答は、「好きにするがいい」だ。

純チャンと二盃口を含む手の形
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第8巻。

天のカンは、受け継いだ手を別の形へ変える

天が口にするのは、「予感がする。地の鼓動…」という言葉だ。
天は、その予感を頼りに七索で和了らず、九索を暗カンする。
カンの直後にはテンパイが崩れるが、嶺上から二筒を引き、八索を切ることで四暗刻のテンパイへ進む。
最後に引く七索もカンし、その嶺上牌の三筒で役満を和了る。

凡手から純チャンを経て四暗刻へ変わった手の流れ
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第8巻。

赤木は、順子を含む純チャンの形まで手を育てた。
天は、その和了れる形をいったん崩し、刻子をそろえる四暗刻へ進む。

嶺上から三筒を引き四暗刻を和了る天
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第8巻。
二人の闘牌を飛龍地斬四暗刻と呼ぶ場面
『天 天和通りの快男児』福本伸行、第8巻。

銀次は、この手が四暗刻へ至る道を「細く険しい」と語り、理や知だけではたどり着けない闘牌として見る。
七索を見逃すとき、天自身が赤木に伝えたのも、予感がするという言葉だった。
赤木が育てた手の中に、天はまだ先へ進める道を感じたのである。

七索で和了れば、赤木が作った手を完成させる勝負になった。
天はその手を引き継ぎながら、形そのものを変え、四暗刻まで進んだ。
飛龍地斬の面白さは、二人が一つの手を分担したことに加えて、交代によってその手が別の姿へ変わっていくところにある。

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