椎名高志は、『絶対可憐チルドレン』のエピソードに、藤子・F・不二雄の『エスパー魔美』へのオマージュを盛り込んだと説明しています。
好きな作品を思わせる小道具とともに、超能力が人の傷を癒す物語への思いも語りました。
『GS美神 極楽大作戦!!』には、本人の了承を得て、高橋留美子をモデルにした人物を登場させたこともあります。
『エスパー魔美』を連想させる小道具
『エスパー魔美』は、超能力に目覚めた中学生の佐倉魔美が、同級生の高畑の助けを借りて、人助けや事件の解決に取り組む漫画です。
椎名はこの作品を、『絶チル』のエピソードを作るときに意識していました。

椎名は2008年の本人ブログで、アニメ『絶チル』第16話について書いています。
そこで『エスパー魔美』へのオマージュとして挙げたのは、ハザマローン社長、魔美の父親の疎開、人造湖の透視でした。
『エスパー魔美』を読んだ人に、そうした場面を連想してもらえれば、と説明しています。
このブログで椎名は、最後に兵部が催眠を使う場面は、漫画ではページの都合で省いたとも書きました。
椎名は、アニメで加わったその場面も含めて、オマージュを説明していました。

漫画の第5巻にも、このアニメ回に関わる「ナショナル・チルドレン」の一部が収録されています。

超能力が、戦争の傷に触れる物語
椎名は『エスパー魔美』のどこに心を動かされていたのでしょうか。
同じブログで椎名は、魔美の父親の世代には戦争体験があることに触れています。
椎名が美しいと感じたのは、魔美の超能力が小さな奇跡を起こし、戦争の傷を少し癒す助けになる物語でした。
椎名は『絶チル』では、国境や世代を越えて、誰もが特別で大切なチルドレンなのだというテーマに組み立てたと説明しました。
椎名は、このブログに藤子・F・不二雄との接点も書いています。
二人が直接会ったことはありませんでしたが、藤子が生前に自分の漫画を褒めてくれたと、椎名は聞いていたそうです。
パロディーも許してもらったことがあり、直接お礼を伝えられなかったのが残念だと振り返っています。
『GS美神』に、高橋留美子本人を登場させる
椎名のオマージュには、作品を連想させる場面を入れる方法のほかに、作家本人を登場させた例もあります。
高橋留美子との2022年の対談で、椎名は『GS美神』に高橋をモデルにした人物を出した理由を話しました。

椎名は、美神の上司の若い頃を描く際、1970年代の風物詩として、サンデーに関わるものを入れたいと考えたそうです。
椎名が本人の登場をお願いすると、高橋は了承しました。
高橋も、こうした描き方を椎名の面白さとして受け止めています。
椎名にとって高橋は、漫画家を目指すきっかけになった作家でもありました。
ここでは、その先輩の姿が、昔のサンデーを思わせる場面に置かれています。
まとめ
椎名は、好きな作品の小道具や作家の姿を、自分の漫画に取り入れてきました。
『エスパー魔美』については、その物語に感じた美しさまで説明し、『絶チル』で描きたいテーマへつなげています。
元の作品を知っていると、超能力の仕掛けや登場人物を楽しむとともに、椎名がどんな漫画に心を動かされてきたかも読めます。

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