2002年のドラマ『ロング・ラブレター~漂流教室』の原作は、楳図かずおさんの漫画『漂流教室』です。
脚本を担当したのは、大森美香さん。
舞台を小学校から高校へ移し、常盤貴子さんと窪塚洋介さんが演じる二人の恋愛を軸にしたドラマになりました。

原作は楳図かずお、脚本は大森美香
フジテレビの番組資料には、原作として楳図さんと『漂流教室』、脚本として大森さんの名前が記されています。
プロデュースは山口雅俊さん、演出は水田成英さんらが担当しました。
原作を書いた人と、テレビの物語として脚色した人が、それぞれいる作品です。

原作では、小学校が校舎ごと荒廃した未来へ飛ばされ、子どもたちが生き延びるために動き始めます。
楳図さんは2009年のインタビューで、困難に子どもたちが本気で立ち向かう姿を描きたかったと話していました。

ドラマは、結花と暁生のすれ違いから始まる
ドラマでは、花屋を手伝う三崎結花と、高校の数学教師になった浅海暁生が中心です。
かつて惹かれ合った二人は、連絡が取れないまま一年を過ごしていました。
再会しても、誤解からうまく気持ちを伝えられません。
第1話のあらすじでは、結花が花代の集金で高校を訪れたところへ、突然の地響きが起こります。
二人のすれ違いを描いてから、学校ごとの漂流へ進む構成です。
高校生たちとともに、大人である二人も、極限状態を生きる物語に入っていきます。
ラブストーリーは、ドラマのために加えられた
大森さんは、2005年のCS番組『読むドラ』で、恋愛を中心にするよう局から要望があり、その要素を新しく加えるのが難しかったと話しています。
結花と暁生の恋愛を軸にした構成は、ドラマで加えられたものでした。
一方、未来へ飛ばされる極端な状況は、人間の本音や根本的な感情を書きやすい舞台だったとも語っています。
非常事態に直面した人物の感情を、遠慮なく書けるところに面白さを感じていたのです。

原作の『漂流教室』では、未来の子どもたちと、元の世界にいる親たちの思いも描かれます。
ドラマで加わった恋愛と区別して原作へ戻ると、子どもたち自身がどう生きるかという、楳図さんの物語の中心も確かめられます。
まとめ
大森さんが書きやすかったと語ったのは、極限状態なら人間の本音を出せるという点でした。
学校ごとの漂流という楳図さんの設定には、別の脚本家が恋愛の物語を作る余地もあったのです。
学校が未来へ飛ぶという同じ異変が、子どもたちの社会にも、大人二人の恋愛にもつながる。
『ロング・ラブレター』は、原作の状況を引き継ぎながら、人間関係の中心を作り直したドラマだったのです。


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