『今日から俺は!!』は、1988年に『少年サンデー増刊号』で連載が始まり、1990年に『週刊少年サンデー』本誌へ移りました。
本誌での連載は1997年まで続き、少年サンデーコミックスは全38巻です。
西森博之さんによると、もともとは読み切りのつもりで描いた漫画でした。
担当者の提案で、三橋と伊藤の話が続く終わり方になったのです。

連載は増刊から始まり、1990年に本誌へ移った
小学館の名作ミュージアムでは、掲載誌と期間が次のように示されています。
『今日から俺は!!』は、三橋と伊藤が転校をきっかけにツッパリになり、千葉で騒動を起こしていく漫画です。
1988年という連載開始年と、1990年という本誌への移籍年は、別の出来事を表しています。
編集部のロッカーには、西森の原稿が溜まっていた
元サンデー編集者の佐藤敏章さんは、2019年のインタビューで、新人の原稿が掲載されるまでの支払いを工夫したと振り返っています。
ある程度見込みのある新人の原稿を見て、良いと思えば、掲載が決まる前に原稿料の半分を払う。
掲載されたら残りを払う、という方法でした。
毎月のように描いて持ってきた西森さんの原稿も、ロッカーに4本ほど溜まったことがあったそうです。
編集長から原稿をどうにかするよう言われ、増刊に読み切りを載せた、と佐藤さんは話しています。
佐藤さんは西森さんの担当者ではありませんが、編集部に原稿が増えていく様子を覚えていました。
西森さん自身も、名作ミュージアムの「自作を語る」で、デビュー前に原稿を急いで描き続けたと振り返っています。
担当者が期待して待っていると思っていたところ、そんなに急がなくていいと言われ、がっかりしたという回想です。
三橋と伊藤を、別の学校へ行かせる結末だった
西森さんが説明した『今日から俺は!!』の最初の構想では、ヤクザが出てきたところで、三橋と伊藤が髪型を元へ戻すことになっていました。
その構想では、二人は別の学校へ行こうとします。
そこで終わる読み切りを考えていたのです。

担当者は、その話を面白いと評価し、もっと続きそうに終わろうと提案しました。
西森さんは、その提案のおかげで38巻描けたと振り返っています。
一度で終えるつもりの漫画を、続きを描ける終わり方へ変えるやり取りがありました。
連載が終わった後も、西森作品へつながる
全38巻の『今日から俺は!!』の後、西森さんは『天使な小生意気』『道士郎でござる』『お茶にごす。』などを描いています。
その後には、小説や、別の漫画家が作画を担当する原作の仕事もあります。
西森博之の主な作品一覧で、その歩みを紹介しています。

『漫画家本vol.8 西森博之本』には、インタビューと詳しい年譜も収録されています。
年譜やインタビューの収録内容は、『西森博之本』の案内で紹介しています。
まとめ
佐藤さんの回想では、増刊は新人の原稿を掲載する場でもありました。
西森さんが描いて持ち込んだ原稿と、担当者が続きを提案したやり取りを知ると、全38巻の始まりが具体的に見えてきます。
三橋と伊藤が続けて活躍する余地は、最初の一本の終わり方を変えるところから生まれたのです。


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