樹林伸さんは、木村拓哉さん主演のドラマ『HERO』のプロットを依頼されました。
2001年のシリーズでは、公式に「企画協力」とクレジットされています。
漫画編集と原作の仕事をしてきた樹林さんへ、どのようにドラマの依頼が届いたかをたどります。

樹林伸が『HERO』のプロットを頼まれた経緯
樹林さんは講談社で『GTO』などを担当した編集者で、1999年に独立しました。
漫画の原作を書き続ける一方、テレビドラマの仕事も加わります。
『HERO』の始まりを尋ねられた2022年の本人インタビューで、樹林さんはフジテレビの大多亮さんから依頼を受けたと振り返っています。
依頼は、木村拓哉さん主演のドラマのプロットを作ってほしい、というものでした。
プロットは、物語の筋や展開を組み立てたものです。
フジテレビではすでに『GTO』がドラマになっていたため、初めての関係ではなかったと樹林さんは説明しています。
漫画の仕事でつながったテレビの制作側から、今度は新しいドラマの物語を求められたのです。

『HERO』は、型破りな検事・久利生公平が東京地検の城西支部へ来て、検事や事務官たちと関わっていく群像劇です。
2001年版の公式スタッフ表では、樹林さんの担当は「企画協力」。
各話の脚本には、福田靖、田辺満、大竹研、秦建日子の四人が記されています。
漫画では、絵になる場面を漫画家へ渡す
樹林さんが青樹佑夜名義で書いた『GetBackers』は、綾峰欄人が漫画を描いています。
樹林さんの作った物語が、綾峰さんの人物や場面の絵と組み合わさって、漫画になります。

樹林さんは漫画原作では脚本形式の文章を書き、作画家へ場面を渡します。
本人の2019年の説明では、台詞と動作・表情を示すト書きを使っていました。

文章を次の作り手へ渡す仕事であっても、漫画とテレビでは一緒に作る相手が変わります。
脚本形式の原作については、漫画原作と小説の書き方の違いでも扱っています。
小説『ビット・トレーダー』では、取引を迷う男を文章で描く
一方、本名で刊行した『ビット・トレーダー』は、株取引と家族の関係を描く小説です。
物語の文章を読者へ直接届ける仕事もしていました。

まとめ
『HERO』の依頼では、『GTO』のドラマ化でつながったテレビ側が、今度は新しい物語の筋を求めました。
作品を別媒体へ移す仕事にとどまらず、新しい企画の入口で力を求められたのです。
その経緯から、樹林さんの漫画での仕事がテレビの企画へ広がった道筋が見えてきます。
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