安西信行の絵柄はどう変わった?『烈火の炎』初期と終盤の表紙を比較

腕を前に出した烈火が描かれた烈火の炎第29巻の表紙 安西信行
『烈火の炎』第29巻/安西信行、小学館。

『烈火の炎』の絵柄の変化は、主人公・花菱烈火の手や服の描き方にも表れています。
第1巻と終盤の第29巻を並べると、腕の陰影や服のしわへの描き込みの違いが分かります。
最終第33巻では、人物を取り囲む竜や炎が表紙を埋め、画面全体の密度も高くなっています。

忍者に憧れる少年から始まった『烈火の炎』は、全33巻の長編になりました。
今回は、第1巻、第29巻、最終第33巻の表紙を見比べます。

第1巻と第29巻、同じ烈火の手と服を比べる

第1巻の表紙には、烈火と佐古下柳が描かれています。
烈火は制服姿で手を大きく開き、こちらに向けています。
人物の姿をはっきり示す輪郭と、濃い紫色でまとめた制服が目を引きます。

第29巻の烈火も、片手を前に出した姿です。
むき出しの腕には陰影が付き、掌や指の関節、ズボンのしわにも細かな線が入っています。
輪郭に加えて、体や服の表面の描き込みによって、人物の厚みが伝わってくるのです。

最終第33巻では、竜と炎が人物を取り囲む

第33巻は、第1巻の二人を中心とした表紙から大きく変わります。
烈火の背中が下方に描かれ、その上を何体もの竜や翼、炎が埋めています。
明るい翼、赤い竜、暗い背景が重なり、人物だけでなく周囲の形や色にも見どころがあります。

背中向きの烈火の上に竜や翼と炎が描かれた烈火の炎最終第33巻の表紙
『烈火の炎』最終第33巻/安西信行、小学館。 出典

第1巻では烈火と柳の姿が大きく描かれていました。
第33巻では人物を囲む竜や翼の形まで描き込まれ、細かな形を追って見る楽しみも増えています。

安西さんが語った、七年間の重み

安西さんは2002年の完結コメントで、烈火たちを描く機会が減ると考えると、七年間の重みを感じると語っています。
20代の多くを『R・PRINCESS』と『烈火の炎』に費やし、『烈火の炎』は描き切ったという実感も示しました。

まとめ

物語の中では烈火たちが戦いを重ね、表紙には安西さんの描き方の変化が残っています。
筋を覚えている人も、烈火の手や服、竜や炎の重なりに目を向けると、七年間の長編を絵の面から楽しみ直せます。

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