帝愛の追跡をかわし、ようやく家を得たカイジ、チャン、マリオ。
三人の前に現れた厄介な相手は、向かいに住むモネだった。
モネは帝愛の手先ではない。
だからこそ、追っ手をまくための方法が通じない。
カイジたちは目立たずに暮らしたいが、モネには見知らぬ隣人が何者なのかを確かめたい理由がある。
挨拶がなければ疑われ、説明を始めれば隠していた生活まで見られる。
このすれ違いが、モネを警察へ向かわせた。
近所では、挨拶のなさが怪しさになる
モネが最初に腹を立てたのは、引っ越してきた三人が挨拶に来ないことだった。
向かいの表札を見つけ、カイジたちへ声をかける。
モネにとっては、ごく普通の近所の付き合いを求めたつもりだ。

カイジたちにとって、誰にどんな名前を名乗るかは逃亡の問題になる。
モネが見た表札の「伊藤」と、三人が用意していた名乗りは、近所から見ればすっきりしない。
本人たちも表札をどうするか相談するほど、そこには注意を払っていた。

モネはさらに、三人の暮らしぶりを疑い、危険な組織ではないかと考える。
その疑いは行き過ぎているが、挨拶も説明もない家を毎日向かいから見ているのはモネだ。
カイジたちは彼女の視線そのものから逃げられない。

警察が帰っても、モネの疑いは残る
モネの通報で警察が来る。
警察犬まで入れて調べても、モネが疑ったものは見つからない。
カイジたちはその場を切り抜けるが、これで向かいの家との関係が片づいたわけではなかった。

帝愛の追っ手なら、その場から離れるか、見つからないように動けばよい。
モネは向かいに住み続ける。
警察が何も発見しなかったことと、モネが三人を信用することは別だ。
現にカイジは、今後も近所から疑われることを気にしている。
三人がこの家で暮らすには、モネとの会話を避け続けるわけにはいかなくなった。
手土産が失敗して、初めて見えたモネの事情
カイジは謝りに行くため、菓子折りを選ぶ。
近所への挨拶としては自然な手だが、三人はモネ個人についてほとんど知らない。

贈った羊羹を見て、モネは怒る。
亡き夫が同じ羊羹を持ってきたことを、モネは思い出したのだ。
カイジには丁寧な手土産でも、モネには悪い思い出を呼び起こす品だった。


ところが、モネはそこで三人との関わりを断たない。
カイジたちの姿を夫の記憶に重ね、家に入れて話を聞く。
用意した手土産が、カイジの予想どおりに好意を得たわけではない。
カイジの思惑と違うところで、モネ自身の記憶が動いた。
三人にとって面倒だった彼女の個人的な関心が、ようやく会話の入口にもなった。

話を聞いてもらうことと、信用されることは違う
モネは三人が危険な組織ではないかと、家の中でも問い続ける。
カイジたちが否定すると、今度はたくさんのキャッシュカードや、追われる理由の説明が必要になる。

カイジたちは、カードは仲間が給料を預けるために用意したのだと説明する。
モネは、人のカードを使うことに疑問を示す。
三人は本当の事情をすべて明かしているわけではなく、モネも何を言われても信じる人ではない。


それでもカイジは、帝愛らしき者が近所で聞き込みを始めたら知らせてほしいと頼む。
この頼みは、近所をよく見ているモネだからこそできる。
同じ目が、警察を呼ぶことも、三人に危険を知らせることもありうる。

まとめ
追っ手を避けるために隠したい事情が、近所で暮らすには不自然に映る。
モネの疑いと向き合うため、三人のほうから声をかけ、何を聞かれているのかを知る必要があった。
羊羹をめぐる思いがけないやり取りを経て、モネは三人の話を聞いた。
その時点で信用が完成したわけではないが、一方的に見張られるだけだった関係は、互いに問い、答える関係へ変わっている。


コメント