山石日月は、岩明均さんが『ブラック・ジャック~青き未来~』のシナリオに使った名義です。
『寄生獣』『ヒストリエ』のように自分で漫画を描いた作品ではなく、手塚治虫さんの『ブラック・ジャック』を基に、物語を担当しました。
漫画を描いたのは中山昌亮さんです。
山石日月は、どの作品に記されている名前か

『青き未来』の単行本は、秋田書店から2012年に刊行されています。
表紙には、手塚治虫、山石日月、中山昌亮の三人の名前が並んでいます。
さいとう・たかを賞の受賞者略歴には、岩明さんが山石日月名義で『青き未来』のシナリオを執筆したと記されています。
岩明均の脚本を、中山昌亮が漫画にした

2011年に『週刊少年チャンピオン』で連載が始まった際には、岩明均・脚本、中山昌亮・漫画として発表されました。
新連載を載せた41号の表紙にも、岩明さんの名前が大きく記されています。
連載時の「岩明均」と単行本の「山石日月」は、同じ人の脚本の仕事を指しています。

当時の編集長・沢考史さんは、「虫ん坊」2011年10月号のインタビューで、この企画を岩明さんに持ちかけた経緯を話しています。
沢さんによると、最初に誘ったとき、岩明さんは作画する時間がなく、自分が『ブラック・ジャック』を描くイメージも持てないと断りました。
その後、岩明さんから脚本を書いてみたという電話がかかってきます。
沢さんが駆けつけると、一本の作品が脚本としてできていました。
沢さんが以前から組んでほしいと考えていた中山昌亮さんも加わり、漫画になったのです。
冒頭の絵柄の変化にも、脚本と作画のやり取りがある
『青き未来』の冒頭は、手塚治虫さんの絵柄に近いブラック・ジャックから、中山さんの絵柄へ変わっていきます。
沢さんによると、最初の脚本にはこの冒頭はありませんでした。
手塚プロダクションから、原作を知らない読者にも『ブラック・ジャック』がどんな作品か伝えてほしいという要望があり、岩明さんが冒頭のイメージを加えた修正案を送りました。
中山さんは、その案を絵と演出にして仕上げています。
岩明さんが導入を考え、中山さんが読者に伝わるページへ仕上げた、具体的な協働の一場面です。
『レイリ』は、岩明均のオリジナル原作

岩明さんは後に『レイリ』でも、漫画を自分で描かず、原作を担当しました。
こちらで漫画を描いたのは室井大資さんです。
さいとう・たかを賞の略歴では、『青き未来』のシナリオ執筆と、オリジナルの漫画原作として初めての『レイリ』を分けて紹介しています。
手塚治虫さんの作品を基に書く仕事と、岩明さん自身の新しい物語を別の漫画家へ渡す仕事です。
『レイリ』では、編集者が制作全体をまとめ、室井さんが漫画を描く体制を取りました。
まとめ
山石日月は、岩明均さんが『青き未来』のシナリオで使った名義です。
この作品は、手塚治虫さんが生んだ主人公を、岩明さんの物語と中山昌亮さんの漫画で描く仕事でした。
誰が物語を書き、誰が絵を描いたかが分かると、山石日月の名前を、岩明さんの原作・脚本の仕事として作品歴につなげられます。




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