藤田和日郎さんは、読者の気持ちを捉えるうえで、人物の目が大切だと考えています。
『浦沢直樹の漫勉』で繰り返し描き直した目について、本人は、気に入る形にならず行き詰まっていたと振り返りました。
目へのこだわりと、納得できる形を探す苦労が、本人の話には並んでいます。

『漫勉』が取材した『ゴーストアンドレディ』の制作
番組が取材したのは、青年誌『モーニング』で描かれた『黒博物館 ゴーストアンドレディ』の制作現場でした。
NHKの番組紹介では、下描きをほとんどせずにペンを入れ、修正液を重ねて、線を彫り出すように描く方法が紹介されています。

ペンで描いては、ホワイトで修正する。
原稿の上で形を探していく藤田さんの作業を、同じ漫画家である浦沢直樹さんが追った番組です。

『ゴーストアンドレディ』を含む英国伝奇の作品歴は、『黒博物館』シリーズの紹介にまとめています。
描く回数の少ない敵役だった
藤田さんは2019年の本人取材で、番組に映ったのは、描く回数の少ない敵役だったと説明しています。
普段から何度も描く主人公級の人物なら決まるのに、その時は気に入る目にならなかったそうです。
放送後には、目へのこだわりを褒められる機会が増えました。
藤田さん自身は、その場面を「しくじりましたね」と笑いながら振り返っています。

修正液があるから、ペンを入れられる
藤田さんは同じ取材で、細い先端の修正液を、漫画を描くために欠かせない道具として挙げました。
間違えても消せるため、下描きのない原稿へ、勇気を持ってペンを入れられるといいます。
藤田さんは、修正できることを頼りに、ペンで描き始めていました。
まとめ
藤田さんの回想で面白いのは、こだわりを褒められた場面にも、本人には気に入らず悩んだ時間があったことです。
修正できる道具を頼りに、納得できる目を探していく。
完成した漫画と、その形へたどり着く作者の作業を、合わせて楽しめる話です。


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