『みゆき』は1980年、『タッチ』は1981年に連載が始まりました。
二つの代表作は、1981年から1984年にかけて、並行して描かれていた作品です。
あだち充さんは、そのころを、ほとんど仕事の記憶しかないほど忙しい時期だったと振り返っています。
一方、『タッチ』を始めたときの気持ちについては、肩の力の抜けた話も残しています。
二つの代表作を、別々の雑誌で描いていた
『みゆき』が連載されたのは『少年ビッグコミック』、後から始まった『タッチ』は『週刊少年サンデー』です。
『みゆき』は1980年から1984年、『タッチ』は1981年から1986年に連載されました。
『タッチ』の連載初期から数年間、あだちさんは二つの作品を抱えていたのです。

『みゆき』では、妹と同級生、二人の「みゆき」の間で揺れる主人公・若松真人を描きます。
『タッチ』では、上杉達也・和也と浅倉南を中心に、野球と恋愛のある青春を描いていました。
1982年度の小学館漫画賞では、二作品がともに受賞しています。
同時に描いていた二つの連載が、そろって評価された時期でもありました。
『みゆき』に夢中だったころに始まった『タッチ』
2024年公開の糸井重里さんとの対談で、あだちさんは、『タッチ』より先に『みゆき』が大きな人気を得ていたと話しています。
当時、本人がのめり込んでいたのも『みゆき』でした。
その連載と並行して、『タッチ』が始まったのです。

『タッチ』の始まりについて、あだちさんは、流れの中で始めた連載だったと振り返りました。
本人は、主人公たちが自然に動いてくれたような感覚も話しています。
糸井さんも、第1巻を読んだときに、気楽に物語へ入っていける楽しさがあったと伝えました。

仕事の記憶しかないほど忙しかった
2025年12月18日の「あだち充展」で、あだちさんは、浅倉南を演じた日高のり子さんと対談しました。
そこで本人は、『みゆき』を始めてから五年ほどは、ほとんど仕事の記憶しかないと回想しています。
長く働いてきた中でも、真面目に仕事をしていた時期だったと、笑いを交えて話しました。

日高さんは、展示の音声ガイドを収録するときに、二作品が同時連載だったことを初めて知り、驚いたといいます。
『みゆき』が始まった1980年は、日高さんが歌手としてデビューした年でした。
南を演じた人も、自分の歩みと作者の年表を重ねて、当時の仕事の多さを知ったのです。
まとめ
仕事の量を振り返るとき、あだちさんは、ほとんど仕事の記憶しかないほど忙しかったと話しています。
『タッチ』の物語については、主人公たちが自然に動いてくれたように感じていました。
二作品の同時連載をたどると、忙しさだけでなく、その中で物語を作っていた作者の感覚にも触れられます。


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