木城ゆきとのネームはどう生まれる?筋書き・イメージ・人物の目線

帽子と眼鏡を身につけた木城ゆきとさん 木城ゆきと
木城ゆきとさん/2019年の本人インタビュー掲載写真、GIGAZINE。

『銃夢』の作者・木城ゆきとさんは、話の筋道を考えることと、場面のイメージを膨らませることを行き来しながら、漫画を作ると説明しています。
見せたい場面が浮かべば、そこへ至る流れを組み直す。
さらに、ネームを描くときには人物の目線へ視点を移し、感情の動きからも話を見直します。

文字の筋書きから、コマと台詞のネームへ

木城さんは、2003年の『銃夢LastOrder』制作解説で、文字のメモからネームへ進む工程を公開しています。
先に書くメモは、ページごとのイメージや構成を、自分のために文字で記したものです。
人に見せる完成した脚本というより、話を組み立てるための覚え書きでした。

銃夢LastOrderの構成を文字で書いた木城ゆきとのメモ
『銃夢LastOrder』の構成メモ/木城ゆきと公式制作解説。 出典

その後、コピー用紙に台詞や擬音、コマ割り、大まかな構図を描きます。
木城さんは、ここで漫画の具体的な流れが決まると説明しています。
公開された見開きのネームには、コマの中へ人物と台詞を置いた様子が見えます。

銃夢LastOrderのコマと台詞を描いた見開きのネーム
『銃夢LastOrder』のネーム/木城ゆきと公式制作解説。 出典

当時の工程では、木城さんはネームを編集者へ送り、打ち合わせで了承を得てから、下描きやペン入れへ進んでいました。
ネームの後には、紙とデジタルを組み合わせた作画が続きます。

筋道を考え、見せたい場面から組み直す

2019年の本人インタビューで、木城さんは、登場させる人物や、どこまで話を進めたいかを考えるところから始めると語っています。
まず、物語の段取りを立てるわけです。

ただ、木城さんは、その組み立てだけでは、勘の鋭い読者には先を読まれやすいとも説明しています。
そこで、うまくいかなくなったときには、いろいろなイメージを思い浮かべる作業へ切り替えます。
印象的な場面が浮かぶと、それをクライマックスに据え、話の方をその場面へ向かうように直していく。
イメージだけで考えて話の辻褄が合わなくなると、再び筋道を考え直します。

木城さんは、論理的な組み立てと、イメージからの発想を、何度も往復していました。

帽子と眼鏡を身につけた木城ゆきとさん
木城ゆきとさん/2019年の本人インタビュー掲載写真、GIGAZINE。 出典

ネームでは、人物の目の高さから見る

木城さんは、編集者と最初に打ち合わせるときの考え方を、上から物語を見て、人物を駒のように動かすものだと説明しています。
どの人物を、どこへ向かわせるかを考える段階です。

ネームを描くときには、木城さんはその人物の目の高さへ視点を下げます。
人物の目で場面を見ると、感情の動きが分かり、そこから話がまた動き始めることもあるといいます。

ネームに1カ月ほどかかったこともある

2019年の木城さんは、ネームにかける時間を、短くても1週間ほどで、1カ月ほどかかったこともあると説明しています。
木城さんは、時間がかかることを自慢できるものとは捉えていませんでした。

まとめ

木城さんのネーム作りでは、見せたい場面に合う筋道を探すことと、そこにいる人物の感情を見ることが重なっています。
頭の中で決めた筋書きを、見せたい場面と人物の感情から練り直す。
その往復に、木城さんは時間をかけていました。

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