『バタアシ金魚』では恋愛と水泳、『ドラゴンヘッド』では恐怖、その後の『ちいさこべえ』では人々の暮らしを描く。
作品ごとに題材も描き方も変わる望月ミネタロウさんが、創作の源として挙げるのは、そのとき自分が描きたいと思うものです。
新しい仕事へ移るたび、読者や編集者の信用を取り戻す負担もあると話しています。
出発点は、そのとき描きたいもの
望月さんは、2023年に収録された本人インタビューで、創作の意欲はジャンルや過去作、その時点の技術に縛られないと説明しました。
原動力は「そのときに描きたいと思ってたもの」。
以前の作品に合うかどうかを先に考えるより、今の自分が描きたいと思えることを大事にしているのです。

その選択で後悔したり、恥をかいたりしたこともあると、望月さんは振り返っています。
それでも、終わった作品に執着せず、次にまた最初から取り組んできました。
望月さんが避けたいと話すのは、疑問を抱いたまま、あるいはつまらないと感じながら仕事をすることです。
描きたい漫画を描ける状況への感謝も、この話の中で述べています。
新作へ進むたび、信用を築き直す負担がある
作風を変えると、以前の読者や編集者に、新しい仕事をもう一度信じてもらわなければならない。
望月さんは、変化について尋ねられた際、その負担を最初に挙げました。
自分から離れていく読者や編集者もいると話しています。
作風の変化は、本人にとっても良いことだけが起きる選択ではありませんでした。

読者や編集者の信用を取り戻す必要があると分かっていても、望月さんは描きたいものへ進んでしまうと話しています。
作風を変えるたび、これまでの仕事で得た信用に頼りきれなくなる難しさがあったのです。
青春からホラーへ、描けるテーマも広がった
作風の変化には、仕事を重ねたことで扱える題材が広がった面もあります。
2025年の本人取材では、初期の青春漫画からホラーへ移った理由を尋ねられています。
望月さんは、漫画家になった頃は身近で具体的なものを描き、作品を重ねるうちに、より抽象的なテーマを理解できるようになったと答えました。
『バタアシ金魚』の恋する少年から、『ドラゴンヘッド』の人物が抱える恐怖へ。
作品を重ねて、扱える題材が広がったという本人の説明からも、望月さんの変化をたどれます。
目の前の漫画に集中しながら、次も挑戦したい
2023年の取材時、望月さんはエッセイ漫画『没有漫画 没有人生』に取り組んでいました。
次の作品を尋ねられると、目の前の仕事に集中するので、次のことは分からないと答えています。

一方で、何かに挑戦したいという気持ちはあると話していました。
成功したいだけでなく、失敗しても尊敬される人になれたら、という希望も述べています。
作品の流れを知りたい場合は、代表作と作品歴の記事でも紹介しています。
まとめ
変わる作風をつないでいるのは、描きたいものに正直でいようとする姿勢です。
新作が以前の作品と違うことは、読者にとっても、知っている作者の別の面に出会う機会になります。
好きになった一作の先で、次は同じ作者のどんな漫画に出会えるのか。
望月さんの変化を知ると、作品歴をたどる楽しみも広がります。



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