可愛らしい女の子が現れたと思ったら、その人物が巨大な怪物になる。
岡本倫の『パラレルパラダイス』には、そんな落差を見せる魔女ガリアの場面があります。
顔を見せてから、姿を変える
変身前のガリアは、笑みを浮かべた顔が大きく描かれています。
目や髪、口元まで見える近さで、顔の印象が残る描き方です。
周囲にいる人物の顔も続き、ガリアを見る側の姿が描かれます。

変身したガリアは、大きく開いた口に幾重もの歯を持つサンドワームです。
ヨータが刀を構える姿と並ぶと、体の大きさも際立ちます。
二つの姿を見比べると、顔立ちだけでなく、体の形も人間から遠く離れていることが分かります。

担当編集の星野さんは、可愛い女の子がおぞましい姿になる落差が、読者の印象に残ると説明しています。
この場面の衝撃は、怖い怪物が登場することに加え、その怪物が、可愛い顔を見せていたガリア本人なのだと分かるところにあります。
岡本さんには、『バキ』からページをめくったときの驚かせ方を学んだという話もあります。
怖い姿にも、舞台に合う理由がある
ガリアの正体がサンドワームになった理由には、砂漠という舞台も関わっています。
星野さんは、ミミズの姿を怖いと感じる人が多いことや、ゲームなどで知られる怪物であることも挙げています。
舞台に合い、姿を見たときの怖さも伝わる怪物として選ばれたのです。
星野さんが怪物選びの理由を語ったのは、2020年の岡本倫インタビューです。
まとめ
ガリアの怖さを強めているのは、怪物の大きさや歯だけではありません。
先に見せた可愛い顔と、変身した姿の差も、読む人を驚かせる材料になります。
怪物そのものの怖さに、知っていた人物が変わる驚きを重ねる描き方です。


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