『RAVE』の結末は最初から決まっていた?真島ヒロが語った構想と変更

真島ヒロ RAVE 1巻の書影 漫画家・作者
『RAVE』1巻書影/真島ヒロ、講談社。出典:https://news.livedoor.com/article/detail/17873827/

『RAVE』の物語の大筋と、登場人物の辿る運命は、連載前から考えられていました。
真島ヒロさんは、連載中の大きな変更として、ラスボスをキングからルシアへ移したことを挙げています。
細かな台詞や演出は、描く時に考えていました。

1999年から2005年まで連載された『RAVE』は、真島さんにとって初めての連載作品です。
全35巻の冒険を支える構想があった一方、読者に届ける過程では、旅立ちの時期も見せ場の順番も調整されていました。

真島ヒロ RAVE 1巻の書影
『RAVE』1巻書影/真島ヒロ、講談社。 出典

物語の大筋と、人物の運命は用意していた

真島さんは2021年の本人インタビューで、『RAVE』は展開も登場人物全員の運命も、かなり細かく決めていたと振り返っています。
プロになる前から考えていた物語が、初連載に反映されたという説明です。

例えば、敵として登場したレットが、後にハルたちの仲間になる流れも、最初から予定していました。

真島ヒロ RAVEのレットが真の仲間について話すコマ
『RAVE』のレット/真島ヒロ、講談社。 出典

一方、台詞や演出は、実際に描く時に考えていました。
人物の運命は準備しておき、場面ごとの表現は連載中に作っていく、という描き方でした。

大きく変わったのは、キングからルシアへのラスボス変更

その構想の中で、真島さん自身が大きな変更として挙げたのが、最後に戦う敵です。
2020年の本人インタビューでは、キングからルシアへラスボスが移る展開を、描きながら変えたと説明しています。

完成した『RAVE』では、ハルとルシアの最終決戦が描かれます。
この相手の変更を除けば、最後まで予定どおりだった、というのが真島さんの振り返りです。
変更を決めた時期や理由までは、この発言では説明されていません。

RAVE 35巻 最終決戦のルシアとハル
『RAVE』35巻、ハルとルシアの最終決戦/真島ヒロ、講談社。 出典

ハルの旅立ちは、第1話から第4話へ描き直した

構想があっても、物語の進め方は編集者とのやり取りで変わっています。
連載前のネームでは、ハルは第1話で旅立っていました。
担当編集者から、当時のマガジンの読者にはテンポが速すぎると言われ、何度も描き直した結果、旅立ちは第4話になりました。

RAVE 第4話 船で旅立つハルとプルー
『RAVE』第4話、ハルの旅立ち/真島ヒロ、講談社。 出典

真島さんは、旅立ちまで4話もかけることに、当時は戸惑ったそうです。
担当編集者とは、時間とページをかけて、読者にじっくり読んでもらう方針を話し合っていました。
ハルを冒険へ送り出す構想を持ちながら、その冒険に読者が入っていける速さを探していたのです。

連載が始まると、見せ場を出し惜しみしなくなった

実際に連載が始まると、読者アンケートが伸びず、真島さんは苦戦しました。
真島さんは2017年のインタビューで、後半のために取っておいた伏線や、盛り上げる予定だった場面を、先に描くようにしたと話しています。
面白いと思う場面を待たせているうちに、連載が終わってしまうという危機感があったからです。

思いついていた場面を入れるようになってから、人気が少しずつ上がったと真島さんは振り返っています。
真島さんは『RAVE』では、決めた物語の枠内でこの調整をしたと説明しています。
その経験は、次作『FAIRY TAIL』で先を決め込まず、次の一話の面白さを追う描き方につながりました。

まとめ

『RAVE』には、最終回まで進むための構想がありました。
しかし、構想があるだけでは、読者がそこまで読み続けてくれるとは限りません。
連載初期の苦戦を通して、真島さんは、取っておいた面白さを今の一話に使うようになりました。
その経験が、次作の描き方まで変えています。
『RAVE』は、用意した物語を描き切った作品であり、真島さんが読者の反応を受けて、長編の進め方を学んだ作品でもあるのです。

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