『サイケまたしても』の着想になったのは、タイムリープを描く映画『恋はデジャ・ブ』でした。
福地翼さんは、2018年の本人の文章で、映画に惹かれた理由と、もう一つの下敷きになった漫画『め組の大吾』を挙げています。

『恋はデジャ・ブ』の「誰かのために」
『アナグルモール』を終えた頃、以前の担当編集者が福地さんに勧めたのが『恋はデジャ・ブ』でした。
1993年のこの映画は、ビル・マーレー演じるフィルが同じ日を繰り返す物語です。

福地さんが惹かれたのは、フィルが町の人たちのために何かをしようとする生き方でした。
自分の命さえ惜しまず人を助ける姿が、福地さんの描きたいヒーロー像と重なったといいます。
同時に福地さんは、その善意に危険な一面もあると感じ、その危うさの中で葛藤する主人公を描くことを『サイケ』のテーマの一つに据えました。
『め組の大吾』から受け取った危うさ
もう一つの下敷きが、曽田正人さんの『め組の大吾』です。
消防士の朝比奈大吾を主人公に、救助の現場での活躍と成長を描いた漫画です。

福地さんは、曽田さんの描く天才には危うさがあり、それが魅力になっていると感じていました。
福地さんは、大吾が火に魅せられる消防士として描かれたことにも注目していました。
人を救うヒーローの中にある危うい魅力を、自分も描きたいと考えたのです。
斎下は、努力する主人公
福地さんは斎下について、努力する人物だと説明しています。
ここぞというときの思い切り方には、仲間にも理解しづらいところがあったと振り返ります。
斎下については2017年の回答でも、自己犠牲とあどけなさを意識して描くと語っていました。
福地翼が語った主人公の条件では、この回答も紹介しています。

まとめ
福地さんは、斎下が最後にどんな答えにたどり着くのかを知りたくて、この漫画を描いてきたと語りました。
ヒーローの善意と危うさをテーマにした福地さん自身も、主人公の行く末を見つめていたのです。

コメント