福地翼さんは、2022年春に始まった『GOLDEN SPIRAL』でフルデジタル作画へ移行しました。
それ以前の『タッコク!!!』ではカラーだけをデジタルで描いていましたが、自分には向いていないと感じ、いったんやめています。
新しい環境へ移る際の練習が、短編『片岡さんのもう片方』を描くきっかけにもなりました。
『タッコク!!!』ではカラーだけをデジタルに
福地さんが以前の画材について話したのは、2016年のまんが家バックステージです。
画材をデジタル化する予定を聞かれ、当時は予定がないと答えたうえで、『タッコク!!!』の頃にはカラーだけデジタルを使っていたと振り返っています。

やめた理由として挙げたのは、自分に向いていないと感じたことでした。
当時のデジタルの経験は、カラー制作について語ったものです。

このときの回答は、2016年当時の方針です。
後年の福地さんは、作画方法を変えることになります。
『GOLDEN SPIRAL』でフルデジタルへ
2022年の本人インタビューでは、『GOLDEN SPIRAL』からフルデジタル作画へ移行した経緯を話しています。
カラーだけに使っていた頃から、作画全体に使う段階へ進んだわけです。

その移行にあたり、福地さんは一度、練習を兼ねて読み切りを描くことになりました。
そこで生まれたのが『片岡さんのもう片方』です。
練習として描いた一本にも、物語の工夫がある
『片岡さんのもう片方』は、対になっている物の片方だけを出せるおじさんと、少年の友情を描いた作品です。
福地さんは、好きな映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』をきっかけに、少年とおじさんの友情ものを選びました。

二人の掛け合いでは、強いツッコミの吹き出しを使わず、少年が優しく応じる形にしています。
片岡さんの言動に慣れている少年を描き、二人の関係が伝わるようにしたかったためです。
また、アクションのない会話劇にすると決め、変形したコマも使わない方針を採りました。
福地さんは、新しい作画環境での練習とともに、人物の距離感や会話の見せ方も工夫していました。
まとめ
福地さんのデジタル作画の歩みには、一度やめた彩色の経験と、フルデジタルへ移るために短編を描いた経験があります。
道具に慣れる時間の中で、少年とおじさんの友情を描く一本も生まれました。
連載へ向けた作画の練習が、別の物語を形にする機会にもなっていました。


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