皆川亮二さんは、漫画を描き始めた頃、自分のコマ割りが映画の絵コンテになっていたと振り返っています。
担当編集者に教わったのは、ページを開いた時の驚きと、そこから読ませるリズムでした。
映画が好きだった新人が、漫画ならではの読み方を覚えていく話です。

映画の仕事をしたかった頃
高校時代の皆川さんは、映画の仕事をしたいと思っていました。
集英社の新人賞インタビューでは、好きな映画を何十回も見て、朝から夜まで映画館にいた時期もあったと回想しています。
自分でもいつか撮りたいと、頭の中で構想を練っていました。
皆川さんが漫画を描き始めたのは、神崎将臣さんの仕事を手伝うようになってからです。
漫画にも、好きだった映画の感覚を持ち込んでいました。
本人は当時のコマ割りを、全部絵コンテだったと表現しています。
絵コンテは、映画の場面と画面構成を示す設計図です。

担当に教わった、ページを開く驚きと読むリズム
担当が付いてから、皆川さんは原稿の見せ方を厳しく指導されました。
コマ割りには、「これは漫画じゃない」という指摘も受けています。
担当が教えたのは、ページを開いた時に驚かせ、その後はどう読ませるか、リズムを考える必要があるということでした。
皆川さんは、この教えを「開きの文化」という言葉で振り返っています。
皆川さんは、何度もネームを捨てられたことや、悔しかった気持ちを振り返っています。
後に語ったのは、当時の指導への感謝でした。
『スプリガン』の原作者・たかしげ宙さんとの対談でも、皆川さんは、新人時代に担当から漫画の基礎を教わったことに触れています。
本人は、とにかく面白くするよう求められ、それが一番難しかったと語りました。
『スプリガン』が始まった頃の仕事は、皆川さんが漫画を学ぶ時間でもあったのです。

分かりやすさは、読者を楽しませるための工夫
新人賞のインタビューで、皆川さんが漫画作りの大切な点に挙げたのは、読者に分かりやすく伝えることでした。
皆川さんは担当からも、基本を覚え、その上で工夫するよう教わっています。
皆川さんは以前、好きな音楽の格好良さを漫画で表したいと考えたこともあったそうです。
皆川さんは、描き手の好みに閉じた作品になることを戒め、読んだ人に喜ばれるものを描くことがプロの仕事だと語りました。
本人は新人にも、自分の漫画を読者として見る視点を勧めています。
まとめ
皆川さんは、立ち読みの人がページをめくる数秒のために、描き手がどれだけ力を使うかという話もしています。
本人が新人に勧めたのは、読者の目に留まる絵と、読ませるリズムのために工夫することでした。
描き手の努力は、作品を読む人に楽しんでもらうためにある、という考え方です。


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