烈火の炎になった柳は、烈火と一緒に戦えることを喜ぶ。
柳はもともと、傷ついた烈火や仲間を癒してきた少女だ。
最終決戦では、その治癒の力が、天堂地獄の強さを崩す力になる。
柳を守ろうとする烈火と、烈火とともに戦う柳。
一緒に戦った後、柳は烈火に、姫と忍の関係はもう終わりだと告げる。
柳が炎になる場面から、二人が名前で呼び合う結末までをたどってみたい。
柳の魂を奪わせないための決断
最終決戦では、烈火たちの呼びかけが柳へ届き、精神操作が解ける。
だが、仲間のもとへ戻った柳は、烈火の胸の中で命を落とした。
さらに、柳の魂まで天堂地獄に吸収されようとしていた。
烈火には、柳の魂を奪わせないための決断が迫られていたのだ。

柳の死を前に、烈火は立ち止まってしまう。
烈火に声をかける紅麗は、かつて大切な人を失い、その人を自分の炎にしている。
その紅麗に促され、虚空から裂神の力を使う道を示された烈火は、柳を炎にすることを選ぶ。
柳を守りきれなかった烈火が、なお柳のためにできることを選び取る場面である。
炎になった柳の姿を見た風子は、柳が幸せそうに笑っていることを土門に伝える。
風子は、姿が変わっても幸せそうに笑う柳を見て涙を流す。
柳自身も、烈火と一緒に戦えることを喜んでいる。
守ることを誓った烈火の戦いに、柳も自分の力で加わるのだ。

柳が癒すのは、天堂地獄が奪ってきた命
天堂地獄は、人々の命を取り込み、強さを得ていた。
炎で焼かれることにも耐えるその体を、柳の癒しの炎が崩していく。
ここで柳が治しているのは、森光蘭の傷ではない。
天堂地獄が体を造るために奪ってきた、人々の命だ。
柳は、その魂を癒して成仏させる。
魂が解放されると、天堂地獄が奪っていた力も失われていく。
烈火たちが攻撃しても倒せなかった相手から、柳は強さの源を取り除くのだ。
人を助ける治癒の力が、人の命を奪って生きる天堂地獄を追い詰める。
森光蘭は、自分が永遠に生きるために柳の治癒の力を欲していた。
しかし柳が最後に癒すのは、森が奪ってきた人々である。
森が自分のために取り込もうとした力が、奪われた命を救うために働き、森の望みを崩していく。
森は自分のために柳を取り込もうとしたが、柳は奪われた人々のために力を使ったのだ。
姫と忍を終えて、名前で呼び合う
天堂地獄との戦いが終わると、火竜や炎術の力も消えていく。
炎になった柳も消えるため、烈火は再び柳との別れを迎えたように見える。
だが、柳の体には損傷がなかった。
炎から解放された魂は体へ戻り、柳は人間として烈火のもとに帰ってくる。

平穏な日々へ戻った柳は、烈火に、姫と忍の関係はもう終わりだと告げる。
柳は烈火を名前で呼び、烈火にも自分を名前で呼んでほしいと伝える。
一緒に戦えた喜びに続いて、今度は守られる姫という呼び方から離れ、恋人として向き合おうとするのだ。
最後に烈火が打ち上げるのは、実家から持ってきた花火だ。
火竜の炎を失った後にも、花菱家の花火が二人の日常を彩っている。
烈火が柳を守ろうとする戦いは、最後に、柳と一緒に戦うことで決着を迎える。
柳は炎になったまま烈火を支え続けるのではなく、人間として烈火の隣に帰ってくる。
戦うための炎は消えても、名前で呼び合う二人はそこに残る。
二人が一緒に戦えたことが、一緒に過ごせる日常へつながるところに、この結末の喜びがある。


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