天堂地獄との戦いが終わった後、紅麗は時空流離を使って戦国時代へ戻る。
紅麗には、火影忍軍を滅ぼした織田信長への仇討ちが残っていた。
紅麗は雷覇と音遠に別れを告げるが、小金井は紅麗を一人にしたくないと、後を追う。
仇討ちをしに帰る紅麗と、紅麗のそばを居場所に選ぶ小金井。
この二人の思いを読むと、戦国への旅立ちは、現代で築いた兄弟の関係が続く場面にもなる。
現代の決戦が終わっても、火影の仇は残っていた
紅麗は、陽炎が幼い烈火を逃がすために使った時空流離に巻き込まれ、戦国時代から現代へ流されている。
紅麗にとって戦国時代は、自分が生まれ、両親と火影忍軍を失った時代だった。
現代で紅麗を苦しめたのは、森光蘭だった。
森は、紅麗が慕う養母の月乃を人質に取り、紅麗を従わせる。
天堂地獄との決着によって、その森との戦いは終わる。
しかし、火影忍軍を滅ぼした信長は、四百年前の時代にいる。
森を倒すことと、父母や一族の仇を討つことは、紅麗には別の決着だったのだ。

紅麗と烈火の関係も、かつての敵同士のままでは終わらない。
出発する紅麗を、烈火は兄と呼んで見送る。
弟から兄として見送られる紅麗にも、火影忍軍のために果たしたい仇討ちは残っていた。
紅麗は過去へ戻り、本能寺で信長を討つ。
麗を解散し、雷覇と音遠に別れを告げる
紅麗は、旅立つ前に雷覇と音遠へ感謝し、麗の解散を告げる。
これまで紅麗を支えてきた二人は、現代に残る。
紅麗が帰ることで、紅麗を首領とする麗も終わりを迎えるのだ。

紅麗の言葉を聞いた音遠は、顔を伏せている。
音遠にとっては、紅麗を支えてきた日々の終わりでもある。
雷覇と音遠は、紅麗の武運を祈って見送る。
現代に残る二人も紅麗への思いを伝え、紅麗は感謝を伝えて去っていく。
麗は解散しても、最後に交わすのは、互いへの感謝と願いだった。
小金井が選んだのは、紅麗のそばという居場所だった
紅麗について行く小金井は、火影忍軍が滅んだ戦国時代を生きた人間ではない。
小金井自身が語るのは、信長への恨みではなく、紅麗を一人にしたくないという思いだ。
紅麗のところが自分の居場所だと考え、小金井は現代の仲間に別れを告げる。
二人は同じ時代へ向かうが、その旅を選ぶ理由まで同じではない。

小金井は、孤独に耐えられず自分の命を絶とうとしたとき、紅麗に助けられている。
紅麗は小金井に、兄弟になろうと呼びかけた。
その後、小金井は柳への扱いに失望して麗を離れ、烈火たちの仲間になる。
紅麗を慕っていても、紅麗のすることを何でも受け入れていたわけではない。
火影の仲間になった小金井には、現代で続けたい生活もある。
最終巻の小金井は、みんなと楽しく過ごしたい気持ちを語ったうえで、紅麗について行くことを選ぶ。
一人で去ろうとする紅麗を前にして、かつて孤独だった自分を救ってくれた兄のそばを、小金井は自分の居場所に選び直したのだ。
紅麗の旅立ちには、最後まで仇討ちという目的が残る。
小金井は、旅に出る紅麗を一人にしなかった。
かつて紅麗が小金井に差し出した兄弟の関係が、今度は紅麗の孤独を支える。
信長を討つための帰還が、二人の兄弟がともに生きる出発にもなるところに、この結末の温かさがある。


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