冨樫義博さんの主な連載漫画は、『てんで性悪キューピッド』『幽☆遊☆白書』『レベルE』『HUNTER×HUNTER』の4作品です。
ほかにも、デビュー作を収めた短編集、武内直子さんと作った絵本、原作を担当した読み切りがあります。
『幽☆遊☆白書』や『HUNTER×HUNTER』が好きなら、次にどの作品を読もうか。
連載を始めた順番と、それぞれの作品で楽しめることを紹介します。
主な連載作品を、始まった順に並べると
開始年は集英社の作者紹介に基づいています。
『てんで性悪キューピッド』――最初の連載はラブコメ
『幽☆遊☆白書』より前に始まった、冨樫さんの初連載です。
主人公の鯉昇竜次は、やくざの家に生まれながら、妖精に憧れている純情な少年。
家出をした夜に悪魔のまりあと出会い、彼女と同居することになります。
恋愛や色気のある騒動を描いており、後のバトル作品とは違う雰囲気の連載です。
ここで紹介する電子版第1巻は、文庫版に対応する厚めの版です。

『幽☆遊☆白書』――戦いの前に、幽助の死から始まる
1990年から1994年に連載された代表作です。
子どもを助けて死んだ浦飯幽助が、生き返るための試練を受けるところから始まります。
まず描かれるのは、幽助の死を知った周囲の人たちと、その反応を目にする幽助です。
戦闘に加え、登場人物の内面を描く点も、集英社の全巻セット紹介で挙げられています。
ジャンプコミックスは全19巻。
途中の名勝負からではなく、第1巻から人物との付き合いを始めたい作品です。

『レベルE』――宇宙人の王子に振り回されるSF
『幽☆遊☆白書』の次に始まった連載は、宇宙人を扱う『レベルE』でした。
中心にいるドグラ星の王子は、頭が切れる一方で、周囲を困らせる人物です。
第1巻では、地球人まで巻き込んだ大がかりな仕掛けを繰り出します。
強い相手を倒す展開を追うのとは違い、何が本当で、誰が何を仕組んでいるのかが気になる作品です。
ジャンプコミックス版は3冊なので、長編の合間に別の冨樫作品を読みたいときにも選びやすい分量です。

『HUNTER×HUNTER』――父を探す旅から広がる冒険
1998年に始まった『HUNTER×HUNTER』は、ゴンが父と同じハンターを目指し、父に会おうとする物語です。
ハンター試験では、レオリオ、クラピカ、キルアとともに難関に挑みます。
物語の出発点は、父を探す少年の冒険という分かりやすいものです。
そこから先には、明るい人物たちとの出会いと、彼らを追い詰める厳しい出来事の両方が待っています。
後半の複雑な展開が気になって読み始める場合も、第1巻のゴンの出発からたどれます。
『狼なんて怖くない!!』――デビュー作も読める短編集
連載になる前の漫画を読んでみたいなら、『狼なんて怖くない!!』があります。
表題作は、転校先の少女に恋をした狼男の話です。
人間ではない存在を、学校や恋愛の中へ連れてくる発想を楽しめます。
収録されているのは、表題作、『オカルト探偵団』Part1・Part2、『HORROR ANGEL』『とんだバースディプレゼント』『ぶっとびストレート』の6作です。
このうち『とんだバースディプレゼント』がデビュー作。
長いシリーズを一つ増やす前に、短編から初期の仕事へ触れられる一冊です。

『クラピカ追憶編』――本編とは別に読める読み切り
『HUNTER×HUNTER』に登場するクラピカをもっと知りたい人には、『HUNTER×HUNTER クラピカ追憶編』があります。
週刊少年ジャンプ2013年1・2号に掲載された読み切りを収めた電子書籍です。
映画の入場者特典だった「0巻」を探している人も、漫画を読む目的なら、この電子版を選べます。
ただし、0巻に載っていた記事類までは収録されていません。
同じ内容の本が丸ごと電子化されたわけではない点は、選ぶときに気をつけたいところです。

『おおぼーぬー と ちぃぼーぬー』――武内直子との絵本
漫画以外にも、冨樫さんの絵を楽しめる本があります。
2005年刊行の『おおぼーぬー と ちぃぼーぬー』では、冨樫さんが絵を、武内直子さんが文を担当しました。
表紙にいるのは、丸みのある大きな生き物と小さな生き物です。
漫画の主人公たちとは違う、やわらかな姿を見るだけでも、仕事の幅が伝わってきます。
二人の共同制作については、武内直子さんとの関係を紹介した記事でも触れています。

『悪天ウォーズ』――冨樫が原作、水野ハチが漫画を担当
2017年のグランドジャンプPREMIUM9月号には、『悪天ウォーズ』の前編が掲載されました。
冨樫さんが過去に描いたネームを、水野ハチさんが漫画にした作品です。
天使と悪魔のカードで戦う、架空のボードゲームを題材にしています。
まとめ
恋愛の騒動、宇宙人の仕掛け、少年の冒険と、冨樫作品は入口からずいぶん違います。
親しみやすさの中に怖さや意外な展開があるところを気に入ったなら、有名な二作品の外にも、次に読む候補があります。
長い物語へ進みたいときは連載作品を、違う雰囲気を少し味わいたいときは短編集を選ぶ。
そんな読み方なら、作者の経歴を追うことが、そのまま次の一冊を探す楽しみにもなります。


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