2024年の舞台『7SEEDS~春の章~』を前に、田村由美さんは、登場人物の気持ちを大切にする演出に期待を寄せていました。
稽古を見て、俳優たちがすでに自分の描いた人物に見えたと話しています。
海や崖、虫のいる世界を、舞台でどんなふうに見せるのかも楽しみにしていました。

作り始めの稽古で、人物がそこにいると感じた
舞台『7SEEDS~春の章~』は、2024年12月20~29日、東京のスペース・ゼロで上演されました。
脚本・演出を担当したのは西田大輔さんです。
公演前に公表された田村由美・西田大輔対談では、田村さんが稽古場を訪れた感想を語っています。
田村さんが見たのは、まだ作り始めの段階の稽古でした。
一人ひとりの気持ちに基づいて細かく演出する様子に驚き、登場人物の心を大切にすると言ってくれたことがうれしかったそうです。
俳優については、その立ち姿だけでも、もう登場人物本人のように見ていたと話しています。
激しくぶつかり合う場面には迫力があり、本番で髪型や衣装も整えば、読者も楽しめるのではないかと期待していました。

海や崖、虫のいる世界を、限られた舞台でどう見せるか

舞台化を聞いて田村さんが考えたのは、長い物語のどこに、誰に焦点を当てるのか、ということでした。
『7SEEDS』には複数のチームがいて、登場人物は崖を登ったり海へ潜ったりし、周囲には動物もいます。
そうした世界をどう舞台にするのかが気になったと話しています。
田村さんは、舞台なら、実際のジャングルや虫がなくても、そこにあるように表現できると考えていました。
漫画や映像とは違う表現として、舞台に大きな可能性を感じていたのです。

西田さんも、限られた舞台の中で世界を広げるには、想像力と人物の気持ちが重要になると話しています。
田村さんは、世界の見せ方は難しそうだと感じながらも、そこを楽しみにしていました。
春のチームの気持ちを、俳優はどう表すのか
田村さんが楽しみにしていたのは、自然の広がりや、登場人物の動きだけではありません。
序盤に互いを疑っている人たちが、絶望へ向かっていく気持ちを、俳優がどう表現するのかも挙げています。
海や筏、花が崖を登る場面、新巻や百舌との出会い、音楽など、気になるところはたくさんあったそうです。

西田さんは、厳しい世界に落とされた人たちが、それぞれの気持ちを抱いて生きる姿を描きたいと話しています。
その先に続く多くの人物の物語を見せるためにも、春のチームから始めることが重要だという考えでした。
原作が、一つのチームの視点から複数のチームを描く形へ広がった経緯は、『BASARA』から『7SEEDS』への創作の変化で紹介しています。
今回の対談では、舞台の作り手が、春のチームをどのような入り口にするかを語っていました。
まとめ
西田さんが見せたいと語ったのは、この人たちがこれからどう生きていくのか、という姿でした。
田村さんは、自分の作品を好きな人が、人物や世界を深く考えて演出してくれることを喜んでいます。
登場人物を描いてきた作者も、俳優が演じる彼らの姿を楽しみに待っていた。
原作の場面を知っていても、舞台でどう見えるのかは、また別の楽しみになる。
田村さんの期待の言葉には、そうした新しい表現に出会う喜びが表れていました。


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