『銃夢』のサイボーグの姿には、1970年代の玩具「変身サイボーグ1号」が影響しています。
木城ゆきとさん自身が、2015年のインタビューで、サイボーグの見た目はこの玩具から大きな影響を受けたと説明しています。
透明な人形の身体の中に、金属調の機械が見える。
その玩具の姿を知ると、木城さんが挙げた影響源を、名前だけでなく形として確かめられます。
透明な身体の内側に、機械が見える玩具
「変身サイボーグ」は、タカラが1972年に発売したアクションフィギュアです。
タカラトミーの公式商品史でも、透明な身体と、その内側に光るロボット骨格が特徴として紹介されています。
人の形を保ちながら、顔や胸の中には機械の部品が見える人形でした。

人形に装備品を加えたり、ヒーローのスーツを着せたりする遊びも用意されていました。
外から機械が見える身体に、さらに別の装備や衣装を加えられる。
「変身サイボーグ」は、未来の身体の姿を、手に取れる玩具として見せていたのです。
木城ゆきとが語った、機械の身体の見せ方
2019年の本人インタビューで映画『アリータ』の原作らしさを尋ねられた際にも、木城さんは、初めから金属的な身体を見せる点を挙げています。
機械の身体を、後から分かる秘密にせず、最初から見せることに注目していました。

『新装版銃夢』第1巻の表紙でも、人間の顔を持つガリィの腕や胴体には、機械の構造が描かれています。
人の形と機械の部品が同じ身体にあるという発想は、玩具にも漫画にも表れています。
玩具では透明な外装越しに内側の機械が見え、ガリィの表紙では腕や胴体の外側に機械の部品が描かれています。
ガリィという少女を物語の主役にしたのは、編集者の提案でした。
ガリィが主人公になるまでの経緯と、木城さんが挙げる造形の影響源を並べると、人物の誕生と身体のデザインに、別々の背景があることも分かります。
まとめ
『銃夢』の造形を支えたものには、漫画や映画だけでなく、玩具もありました。
機械の身体を持つ存在を、透明な人形として目に見える形にした「変身サイボーグ1号」。
木城さんの発言は、漫画の造形を考える手がかりが、立体の玩具にもあったことを教えてくれます。
人の形の中に機械を見せる玩具と、金属の身体を持つガリィを見比べることで、作者が挙げた影響を具体的に眺められるのです。

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