「こいつもう切りましょうよ」。
エスポワール号で安藤を仲間から外そうとしたのは、古畑だった。
ところが、カイジが別室に落ちた後は、安藤の提案を受けてカイジを見捨てる。
古畑を「安藤に流されただけの人」と呼ぶと、この最初の言葉を説明できない。
安藤を切ろうとしたのは古畑だった
安藤は仲間に断らず勝負し、星とカードを失う。
戻ってきた安藤に対し、古畑はカイジへ安藤を切ろうと提案した。
安藤の失敗を見れば、古畑が怒る理由は分かる。
しかし古畑は、仲間を切る話を人から聞いて頷いただけではない。
三人で助かろうと決めたグループから、一人を外す案を自分で口にしている。

カイジはその提案を退ける。

一度安藤を切れば、古畑とカイジの間にも疑いが残ると考えたからだ。
カイジは安藤の勝手な行動を許したわけではない。
それでも、三人で生き残ると決めた以上、一人だけを追い出さない。

今度は安藤が、カイジを切ろうと言う
終盤、カイジは星を古畑と安藤に託し、自分が別室へ落ちる。
二人が約束どおり星を使えば、カイジを助けられる。
古畑は初め、カイジのために星を残そうとした。
しかし安藤は、カイジを助ければ借金が残るが、見捨てて星を売れば二人に金が残ると計算する。
古畑はカイジに謝り、安藤を止めない。
かつてカイジに退けられた「仲間を切る」という選択を、今度は古畑が受け入れた。

ただし、安藤が勝手に星を失った時と、カイジが二人を助けるために星を託した時では、切られる相手の行動が違う。
前者で古畑は安藤を切ろうとした。
後者で古畑はカイジを救うつもりだったが、金が残るという安藤の話を聞いて、救うのをやめた。
古畑が最初からカイジを裏切ろうとしていたとは言えない。
しかし、古畑が考えを変えた後も、カイジを救うための星は手元にあった。
安藤の誘いは、古畑がカイジを見捨てるきっかけになった。
だが古畑は、仲間を切る案を自分から口にできる人物でもあった。
安藤を切ろうとした時はカイジが止めた。
カイジを切ろうとした時は、古畑が安藤を止めなかった。
安藤だけを裏切りの責任者にできないのは、古畑も星を渡すかどうかを選べたからだ。


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