『銃夢』シリーズはどの順番?『Last Order』から火星へ続く物語

新装版銃夢第1巻の表紙に描かれたガリィ 木城ゆきと
木城ゆきと『新装版銃夢』第1巻「錆びた天使」/講談社、2018年刊。

『銃夢』シリーズを初めて読むなら、『銃夢』→『銃夢 Last Order』→『銃夢火星戦記』→『銃夢機甲術戦記』の順がおすすめです。
2026年には第四のシリーズ『機甲術戦記』が始まりました。

同じガリィの物語でも、作品ごとに時代と舞台が変わります。
『Last Order』は初代の途中から分かれる続編で、『火星戦記』はガリィの幼少期と、その後のガリィを描く作品です。
発表された順番と、主人公が人生を歩んだ順番を分けると、各作品のつながりが分かりやすくなります。

新装版銃夢第1巻の表紙に描かれたガリィ
木城ゆきと『新装版銃夢』第1巻/講談社、2018年刊。 出典

初めて読むなら、四つのシリーズを発表順に

講談社のシリーズ紹介では、初代、第二、第三のシリーズに続く最新作として『機甲術戦記』を案内しています。
読む順番と、各作品が扱う話を並べると、次のようになります。

順番 作品 物語の中心
1 銃夢 記憶を失ったガリィと、クズ鉄町から始まる物語
2 Last Order 初代の終盤から分かれ、宇宙へ広がるガリィの物語
3 火星戦記 火星で育つ幼い陽子と、ルーツを求めるガリィ
4 機甲術戦記 陽子とエーリカが機甲術の世界へ進む物語

初代『銃夢』や『Last Order』には、巻の区切りが違う版があります。
同じ作品でも、版によって全巻数が違います。
買いそろえる際の版の違いは、出版社と巻数の整理でも確認できます。

『Last Order』は、初代の結末の後から始まるのか

『Last Order』は外伝ではなく、ガリィを主人公とする続編です。
ただ、初代の最後に描かれた結末の後を、そのまま描く作品ではありません。

木城ゆきとさんの公式作品紹介は、旧単行本9巻の途中から分岐すると説明しています。
ノヴァによってガリィがザレムで再生されるあたりから、新たな物語へ進みます。
ガリィは旧友のルウを求めて、宇宙都市イェールへ向かいます。

銃夢Last Order NEW EDITION第1巻の表紙
『銃夢 Last Order NEW EDITION』第1巻/講談社、2011年刊。 出典

旧版9巻の結末を読み終えてから『Last Order』を開くと、話が戻ったように見えるのは、この分岐があるためです。
初代から続く人物たちを引き継ぎながら、ガリィの行く先を描き直しています。

描けなかった宇宙編を、漫画でもう一度描く

木城さんは2000年の新連載予告で、『Last Order』を始める経緯を説明しています。
1994年には、ガリィがザレム、イェールを経て宇宙へ行く構想がありました。
本人は、心身への大きな打撃で連載の長期続行が難しくなり、1995年に結末を描いたと振り返っています。

描けなかった宇宙編は、まずゲーム『銃夢〜火星の記憶』で形になりました。
その後、完全版の刊行が、漫画でも宇宙編を描く決意につながります。
元の9巻には結末があるため、10巻を足すだけでは宇宙編へ進めない。
『Last Order』では、宇宙編を描くために、元の結末とは違う方向へ物語を進めたのです。

帽子と眼鏡を身につけた木城ゆきとさん
木城ゆきとさん/2019年のGIGAZINE本人インタビューより。 出典

当初はゲームの筋に沿って描く予定でしたが、新しい人物やテーマが加わることで変わっていきました。
木城さんは、かつての構想に、その時の自分が描きたいものを加えて再挑戦しています。

『火星戦記』は、過去だけを描く作品ではない

ガリィと陽子は、別々の主人公ではありません。
陽子はガリィの過去の名です。

『火星戦記』第1巻の紹介は、火星の戦災孤児・陽子と、戦いを経て自分のルーツを求め火星に降り立つガリィ、二つの時代を案内しています。
『銃夢』より前の話が出てくるからといって、シリーズを幼少期から読む順番に並べ替える必要はありません。

銃夢火星戦記第1巻の表紙に描かれた2人の少女
『銃夢火星戦記』第1巻。陽子とエーリカ/講談社、2015年刊。 出典

クズ鉄町で拾われた時、ガリィは自分の過去を覚えていませんでした。
続編を経て火星へ進むと、その過去が、陽子とエーリカという少女たちの生活として描かれます。
ガリィが求めるルーツと、幼い陽子がこれから経験することを、二つの時代から読む構成です。

2026年の『機甲術戦記』は、その先に加わった第四作

『銃夢機甲術戦記』は、2026年にコミックDAYSで始まり、同年8月に第1巻が刊行されました。
陽子とエーリカが、機甲術の世界へ歩を進めます。

銃夢機甲術戦記第1巻の表紙
『銃夢機甲術戦記』第1巻/講談社、2026年刊。 出典

初代では、記憶を失ったガリィが身体に残る格闘術を使いました。
『機甲術戦記』では、陽子がその格闘術と関わっていく時代へ進みます。
刊行されるシリーズが増えるほど、物語の時間も前に進む、という並びではないのです。

まとめ

初代から宇宙へ進んだあと、火星で育つ幼い陽子に出会う。
ガリィが次にどう生きるのかを追うことと、ガリィが何者だったのかを知ることが、同じシリーズを読み進める楽しみになっています。
まずは発表された順番で読み、続編が描く過去を、初代で出会ったガリィにつなげてみてください。

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