『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』は、『わたしは真悟』の続編に位置付けられた作品です。
2022年の「楳図かずお大美術展」で、101点の連作絵画として発表されました。
楳図かずおさんが試したのは、一枚ずつの絵の強さを保ちながら、絵をつないで物語を見せる方法でした。

未来を描こうとして、もう一度ロボットへ
楳図さんは『文學界』2022年4月号のインタビューで、新しいものを探すうちに未来を考え、そこからロボット、そして『わたしは真悟』の続編へ進んだと話しています。
ロボットを題材にした旧作から、新たな物語を作ることにしたのです。

その新作は、漫画誌での新連載という形ではありませんでした。
楳図さんは2023年のインタビューで、従来どおりの印刷物を作るより、新しい発表の形に挑みたかったと話しています。
展覧会の話が来たことで、絵を展示して物語を届ける試みへ進みました。
一枚の見せ場と、物語のつながりを両立させる
楳図さんは『文學界』の取材で、漫画を「つなぎの芸術」、絵画を「クライマックスの芸術」と表現しています。
漫画には前の絵と次の絵をつないでいく働きがあり、絵画には一枚で強く見せる働きがある。
楳図さんは、この二つを組み合わせようとしたのです。

取材した三輪健太朗さんも、新作を見て、一枚ずつは絵として強く成立しながら、物語としてつながっていると捉えていました。
一枚ずつを鑑賞しながら、絵と絵のつながりから物語も読んでいく作品です。
人物の色にも、連作をつなぐ約束を作った
2022年の別のインタビューでは、楳図さんは色の使い方を具体的に説明しています。
女の子には赤とピンク、男の子には青と緑を使う、と決めていました。
つながった絵で人物の色が急に変わると、全体を通して見た時の力が弱くなると考えたためです。

楳図さんは、絵の具の色を楽しみながらも、連作全体で守る約束を作っていました。
一枚ごとの美しさと、続けて見た時のまとまりを、色でも両立させようとしていたのです。
『ZOKU-SHINGO』は後に書籍化され、『わたしは真悟 扉絵全集』と二冊セットのBOXに収められています。
扉絵全集の収録内容を見ると、旧作の各話に添えた絵と、新作で物語をつないだ絵の違いも整理できます。
まとめ
『ZOKU-SHINGO』が引き継いだのは、旧作の題材だけではありません。
楳図さんは、絵をつないで物語を届ける漫画の働きを、連作絵画でも試しました。
その続編を知ることは、物語の続きとともに、作者が考えた漫画の可能性に触れることでもあります。


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