2010年に集英社から出た『銃夢』の新装版は、最初の全9巻や、その後の完全版と収録内容が違います。
木城ゆきとさんによると、本編の収録範囲は『銃夢 完全版』を引き継ぎ、『銃夢 Last Order』へつながる終わり方になっています。
カバーは描き下ろされましたが、外伝や巻末スケッチ、完全版の付録DVDは入りません。
この記事で扱うのは、作者が説明した2010年の集英社版です。
2018年から講談社が刊行した『新装版銃夢』とは、別の版です。
最初の全9巻、完全版の全6巻、新装版の全7巻
初代『銃夢』には、いくつかのまとまり方があります。
最初のヤングジャンプコミックス版は全9巻でした。
その後、集英社からB5判の『銃夢 完全版』が全6巻で出ています。
作者の公式作品紹介は、完全版の刊行を1998~2000年と案内しています。

2010年の集英社新装版は、全7巻のA5判です。
作者の既刊コミックス案内でも、完全版と新装版を別の版として紹介しています。
巻数と大きさが変わるので、同じ第1巻でも、同じ範囲が入っているとは限りません。
元の9巻のラストを省き、『Last Order』へつなぐ
木城さんは2010年6月の説明で、この新装版が、完全版の本編を引き継ぐと書いています。
具体的には、ヤングジャンプコミックス版9巻の終盤、大戦中の機甲術部隊の回想からザレム墜落までの部分が入りません。
完全版と同じく、その部分を省いて『Last Order』へつなぐ構成です。

外伝、スケッチ、DVDの有無も違う
木城さんは同じ説明で、完全版にあった『銃夢外伝』、巻末のスケッチ、付録DVDは新装版に収録しないと書いています。
完全版に入っていたものを、すべて7冊へ詰め直した版ではありません。
一方で、連載当時の2色ページが、第1巻の冒頭で再現されました。
カバーを外した表紙には、昔の『銃夢』の見開きカバーイラストを使用しています。
新しく描いたカバーの内側にも、以前の絵を生かしているのです。
台詞にも一部変更があると、木城さんは説明しました。
カバーの描き下ろしと、台詞の一部変更がある版として区別できます。
新しいカバーは、弟の手も借りて描いた
木城さんは2010年2月の制作報告で、新装版のカバーを、モノクロの線画をデザインとして処理する方向に決めたと書いています。
フルカラーを7枚描くには時間がかかりすぎるためでした。
木城さんは、モノクロなら短期間で仕上げられると考えていました。

実際に始めると、下描きに丸一日、ペン入れにも丸一日を要し、下描きだけで二日かかる絵もありました。
そこで、つーちゃんこと弟のツトムさんに手伝ってもらいます。
定規を使うペン入れが得意なツトムさんの助けもあり、カバーの絵は完成しました。
2018年の講談社新装版は、2010年版とは別
講談社の『新装版銃夢』は、2018年発売の第1巻から、2019年発売の第5巻までの版です。
2010年の集英社版が全7巻なのに対し、こちらは全5巻です。

『銃夢』は、集英社と講談社の両方から刊行されてきた作品です。
新装版という名前だけで選ばず、出版社と刊行年、全何巻の版かを一緒に見ると区別できます。
2010年の作者説明にある収録や付録の仕様は、その集英社版についての説明です。
まとめ
続編へつながる本文を収め、付録の構成を変え、新しいカバーを描く。
2010年の新装版には、同じ『銃夢』を、別の7冊として読者へ届け直す仕事がありました。
旧版との違いを知るには、表紙や巻数だけでなく、物語の収録範囲と、付属する資料にも目を向けると分かりやすくなります。
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