『禁忌異能力の記述士』は綾峰欄人の原作――感染者を保護するSFアクション

原作綾峰欄人、漫画蒼乃逢生と記された禁忌異能力の記述士第1巻の表紙 漫画家・作者
『禁忌異能力の記述士』第1巻。原作:綾峰欄人、漫画:蒼乃逢生。©綾峰欄人・蒼乃逢生/ヒーローズ。

『禁忌異能力の記述士』は、綾峰欄人さんが原作、蒼乃逢生さんが漫画を担当したSFアクションです。
人間に異能力を宿す感染症と、その感染者を保護・管理する機関が物語の中心にあります。
『GetBackers―奪還屋―』の漫画を描いた綾峰さんは、この作品では原作者として、別の漫画家と近未来の物語を作りました。

綾峰欄人の原作を、蒼乃逢生が漫画にする

原作綾峰欄人、漫画蒼乃逢生と記された禁忌異能力の記述士第1巻の表紙
『禁忌異能力の記述士』第1巻。原作:綾峰欄人、漫画:蒼乃逢生。©綾峰欄人・蒼乃逢生/ヒーローズ。 出典

第1巻の表紙に記されているのは、「原作 綾峰欄人」「漫画 蒼乃逢生」という分担です。
公式作品ページでも、二人の担当が明記されています。
綾峰さんの名前で作品を探すときには、原作で参加している一作として読むことになります。

綾峰さんは、『特区八犬士[code:T-8]』でも原作を担当し、栗元健太郎/咲と組んでいました。
『GetBackers』の漫画担当として知られる綾峰さんの経歴には、こうした原作者としての共同作品もあります。
現代版の八犬伝を描いた仕事は、『特区八犬士』の担当と作品紹介でまとめています。

異能力を生む感染症と、感染者を保護する機関

本作の世界では、彗星の接近をきっかけに、新たな感染症が広がります。
「異能感染症」にかかった人間は異能力を持つようになり、髪は白銀に、瞳は深紅に変わります。
感染者は、その見た目から周囲の恐怖にさらされていきます。

その感染者を保護し、管理するのが「異能感染症対策管理局」です。
天川栞は、そこで働く国家異能記述士です。
破天荒な振る舞いを見せる凄腕の人物として登場します。

天川栞が国家異能記述士と名乗り、感染者を保護すると伝える場面
『禁忌異能力の記述士』第1巻の公開抜粋。原作:綾峰欄人、漫画:蒼乃逢生。©綾峰欄人・蒼乃逢生/ヒーローズ。 出典

第1巻の公開抜粋では、天川が感染の発症を確認し、感染者へ保護を告げています。
天川は、犯罪者として捕まるか、功労者として管理されるかという二つの選択も示します。

凄腕の天川と、新人の一式誠

一式誠が異能感染症対策管理局への配属を告げる場面
『禁忌異能力の記述士』第1巻の公開抜粋。一式誠の着任。原作:綾峰欄人、漫画:蒼乃逢生。©綾峰欄人・蒼乃逢生/ヒーローズ。 出典

管理局には、新人の国家異能記述士・一式誠も配属されます。
着任場面では、会議に遅れた誠が敬礼し、自分の名前と配属を告げます。
凄腕の天川と、新人の誠を通じて、感染者と向き合う機関の物語が進みます。

第1巻の公式紹介も、異能力者の尊厳を守る戦いとして本作を案内しています。
強い能力を持つ人物同士の戦いに加え、感染によって能力を持ってしまった人々の保護と管理を扱う作品です。

宇宙戦争のSFから、感染者をめぐるSFへ

漫画構成綾峰欄人・作画新島光と記載されたマジェスティックプリンス第1巻の表紙
『マジェスティックプリンス』第1巻。企画・原作:創通/フィールズ、漫画構成:綾峰欄人、作画:新島光。 出典

綾峰さんは、以前の『マジェスティックプリンス』でも、新島光さんとSF作品を作っています。
こちらの公式の担当名は「漫画構成」で、本人が2012年の取材で説明した仕事はシナリオとネームです。
当時、綾峰さんはSFをまだ手がけたことのないジャンルとして挙げ、宇宙戦争ものへのオファーを受けた経緯を話しました。

『禁忌異能力の記述士』の第1巻が発売されたのは、2021年3月です。
単行本は全3巻で、第3巻は2022年4月に刊行され、物語が完結しています。
宇宙の戦争を描く『マジェスティックプリンス』と、感染者の保護・管理を描く本作では、SFの舞台も人物が担う仕事も異なります。

まとめ

綾峰さんの物語を作る仕事をたどると、同じSFでも、少年少女が宇宙の戦争へ向かう物語と、感染者を保護する機関で働く人物の物語に出会えます。
『禁忌異能力の記述士』は、異能力が病によって生まれる世界を、蒼乃逢生さんの漫画で読む一作です。
能力を持った人がどのように扱われるのか、保護する側がどんな行動を取るのかに目を向けると、この作品の入口が見えてきます。

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