エスポワール号でカイジが組んだ古畑と安藤は、最後にカイジを見捨てた。
後に仲間になったチャンとマリオは、カイジの命が危うくなった時、自分たちの命を差し出した。
最初の三人組は壊れ、次の三人組は24億円を抱えて一緒に逃げている。
カイジが裏切りを経験して、人を信じる相手を選ぶようになったのだろうか。
船でのカイジの選択を見ると、答えはそれほど単純ではない。
古畑と安藤を、カイジは先に見捨てなかった
古畑は、カイジに借金を背負わせた相手だ。
船で再会したカイジは、古畑を責めるよりも、安藤を含めた三人で生き残る道を探した。
船井から二人を切り捨てる話を持ちかけられた時も、カイジは乗らない。
カイジは三人で助かるために、自分の勝機を使った。
限定ジャンケンの終盤、勝負の場に残ったカードは奇数になり、誰か一人は使い切れないことが分かる。
カイジは自分がカードを抱えて別室へ落ち、集めた星を古畑と安藤に預ける。
ゲーム後、二人に星を渡して救い出してもらうためだ。
カイジが思い描いた生還には、二人が約束を守ることが必要だった。


カイジを救える二人は、星を金に換えた
古畑は初め、カイジのために星を残そうとする。
安藤は、星を渡してカイジを救うと借金が残るが、カイジを切れば二人で金を持って船を降りられると計算する。
その話を聞いて古畑も救出をあきらめ、星は売られる。
古畑と安藤には、カイジを救う選択肢があった。
二人はカイジが預けた星を持ち、別室にいるカイジはその使い方を決められない。
三人の勝負を支えてきたカイジが、最後に仲間の判断へ命運を預ける。
そこで古畑と安藤は、自分たちの取り分を選んだ。
カイジは二人の生還のために危険を引き受けたが、二人はカイジの生還より金を選んだ。
チャンとマリオは、カイジが危うい時に何をしたか
チャンとマリオも、初めからカイジの古い友人だったわけではない。
和也の「救出」ゲームで二人が死にかけた時、カイジは約7000万円を払って救った。
その後のワン・ポーカーでカイジが気を失い、処刑が迫ると、二人は自分たちの命をライフにするよう和也に申し出る。
カイジは目を覚ましてから二人の命を懸けることをためらうが、チャンに説得されて勝負を続けた。
船ではカイジが戻れなくなった後、仲間が星を渡すかどうかを決めた。
ワン・ポーカーでは、チャンとマリオがカイジの危機に自分の命を懸ける側へ回った。


二人の行動を、救われた恩があるから当然の返礼だったと片づけることはできない。
命を差し出すと申し出たのはチャンとマリオであり、再開後に二人の命を賭けて戦ったのはカイジだ。
古畑と安藤も、カイジが自分を犠牲にして星を託したことを知っていた。
両者を分けたのは、カイジが先に何をしてやったかだけではない。
カイジを救える立場になった仲間が、実際にどう動いたかだ。
勝負の後も、三人で終わらせようとする
24億円を得た後、カイジは勝ち金を持ってチャンとマリオと逃げる。
二人の分け前をそれぞれ6億円とし、二人が金を持って無事に国へ帰るまで勝負は終わらないと考える。
カイジ自身が逃げ切るだけでは、三人の勝負は終わらない。

古畑・安藤との三人組にも、チャン・マリオとの三人組にも、カイジが仲間を助けようとする姿がある。
違いが表れたのは、カイジが助けを必要とする番になった時だ。
船ではカイジが差し出した星を二人が金に換えた。
ワン・ポーカーではチャンとマリオが自分たちの命を差し出し、その後も三人の勝ち金を持って逃げ続ける。
カイジが信じることをやめた話ではない。
信じた相手が、初めてその信頼に行動で応じた話として、二つの三人組はつながっている。


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