日渡早紀さんは、『ぼくの地球を守って』や『記憶鮮明』で描くものを、普通でいたいという願いだと語っています。
本人の言葉では、普通であることが「チート」であり、最強なのだといいます。
ここで日渡さんが普通と呼ぶのは、特殊能力を持たない作中の人物たちです。
輪や未来路は、人の心を読むことや瞬間移動などを実現する力を持っています。
その二人が憧れるのは、特殊能力を持たない人たちです。
日渡さんは2022年のインタビューで、そんな人物の見方を話しています。

『記憶鮮明』でも描いていた、普通に生きたいという願い
日渡さんは、『ぼく地球』より前の『記憶鮮明』シリーズでも、特殊能力を持ちながら普通に生きたい人物を描いていたと説明しています。
『記憶鮮明』シリーズの未来路は、日渡さんが中学生の頃から考えていた人物です。
強いESPを持つという設定は、長く変えていないと語りました。

能力を持っていることは、本人の葛藤がなくなることを意味しません。
日渡さんは、未来路について、強大な能力に本人が振り回される面もあると説明しています。

日渡さんが語る普通への憧れは、『ぼく地球』だけで生まれた考えではありません。
それ以前から描いていた人物にも、同じ願いがありました。
自分で経験を積み、自信を得る人が格好いい
日渡さんが普通の人物に感じる格好よさは、自力で経験を重ね、自信を得てきたところにあります。
特殊能力を持つ人物の物語はドラマチックですが、その能力は不安定で、あやふやでもあると語っています。
そうした人物が憧れる先に、特別な力を持たない人がいるのです。
2022年の取材で日渡さんが、今のところ最もチートな人物として挙げたのが、『ぼく地球』の田村と、次世代編『ボクを包む月の光』のカプつんです。
『記憶鮮明』では、ニューヨーク市警の刑事アーボガストを挙げています。
『ボクを包む月の光』には、蓮がカプつんを「特別なフツーだ」と呼ぶ場面があります。
カプつんは笑顔で応じ、普通こそ特別なのだと話します。
蓮が特別だと思った友達は、特殊能力を持たないまま、自分の言葉でそれを受け止めています。
作者のいう普通への憧れは、こうした友達同士の会話にも表れています。

まとめ
能力を持つ人物の願いと、そのそばにいる普通の人物の格好よさ。
日渡さんのいう「普通がチート」には、その両方が含まれています。

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