『アウターゾーン』には、読者が寄せた不思議な体験をもとにした番外編『三人の訪問者』があります。
光原伸さんは、寄せられた話を選び、取材し、読者が楽しめるように創作も加えて漫画にしました。
巻末の作品解説には、その作業が思いのほか大変だったことが書かれています。

三人の若者がミザリィに語る番外編
番外編では、三人の若者がミザリィのペンションを訪ねます。
泊まるお金があまりないという彼らに、ミザリィは不思議な体験談を聞かせてほしいと持ちかけます。
話が面白ければ宿泊は無料です。
こうして、三人が順番に自分の体験を語る形で話が進みます。
最初の『UFO』には、読者の報告をもとに漫画化したことを知らせる注記もあります。
読者から届いた話が、ミザリィの前で語られる『アウターゾーン』の一編になっているのです。
番外編は、集英社のビッグボリューム版第1巻で読むことができます。
最初の十話に加え、『三人の訪問者』と光原さんの作品解説を収録しています。
面白い投稿が届いても、そのまま使えるとは限らなかった
光原さんが作品解説で難しかったと振り返るのは、漫画にする話の選定です。
採用した三本よりも面白い報告はあったものの、取材を断られたり、作り話だったりして使えなかったといいます。
一人で朝から晩まで投稿を読むうちに、背筋が寒くなったことも明かしています。
光原さんは、意外にも幽霊が苦手でした。
気味の悪い絵や残酷な絵を描くことも、あまり好きではなかったと説明しています。
怖い話を描く人自身が、集まった話に怖さを感じながら作品を作っていたのです。

この企画では、光原さんは取材で初めて飛行機にも乗りました。
記事用の写真撮影で両手でVサインをするよう求められ、参ったという思い出も残しています。
机で投稿を選ぶだけでなく、取材の現場でも初めての経験が続いた仕事でした。
体験談には、読み物にするための創作も加えた
光原さんは、報告された通りに描くだけでは、一般の読者には面白さが伝わらない場合があるとも説明しています。
そこで、体験談をもとにしつつ、少し創作を加えました。
どこまで加えるかは、悩んだ点の一つだったそうです。
読者から届いた話が土台でも、完成した漫画には光原さんの創作が入っています。
作品解説では、具体的にどの場面を変えたかまでは挙げていません。
まとめ
光原さんは、企画漫画の難しさを知る一方で、初めての経験が多く面白かったとも振り返っています。
『三人の訪問者』を作品解説と一緒に読むと、ミザリィが聞く不思議な話に加えて、投稿を選び、取材に出かけた作者の仕事の様子も楽しめます。


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