『GetBackers―奪還屋―』の綾峰欄人さんが初めてWebtoonを手がけたきっかけは、ソラジマから届いたDMでした。
綾峰さんは当時、仕事を休んでいて、いろいろなことに挑戦してみたい時期だったと振り返っています。
参加した作品は、2025年に公開が始まった『100の魔石の大賢者』です。
縦読みに取り組んだ綾峰さんは、作業の大変さを感じる一方、好きだった少女漫画との共通点も見つけていました。
新しい仕事の入り口は、一通のDMだった

2026年9月の本人取材によれば、ソラジマの担当者がDMで声をかけたことから、参加につながりました。
綾峰さんにとって、こうした形で仕事の話を受けるのは初めてだったそうです。
時間があり、いろいろ挑戦してみたいと思っていたため、声をかけられたことをありがたく感じ、引き受けたと話しています。

綾峰さんの担当は、ネームとキャラクターデザインです。
原案・脚本は長月観さんが作り、綾峰さんが場面の見せ方や人物の姿を描きます。
線画や着彩は別の担当者が進めるため、綾峰さんの絵は、その後の制作につながる絵でもあります。
作品ごとの仕事の違いは、綾峰欄人の主な作品一覧で整理しています。
ラフのつもりが、描くほど楽しくなった
綾峰さんは、Webtoonの制作を始めたころ、週刊誌の一話を仕上げるよりも重い作業だと感じたそうです。
ネームにもっと集中できる方法を考え、自分から作業内容の変更を提案したこともありました。
当初は、ネームはラフでよいと聞いていました。
ところが、綾峰さんは描くうちに楽しくなり、描き込みが増えていったと話しています。
公開されたネームには、人物の姿だけでなく、魔法や効果線まで入っています。

綾峰さんは、自分のネームが線画や着彩の担当者には大変なのではないかと、心配しているとも話しています。
綾峰さんにとって描き込む楽しさがある一方、その絵を仕上げる人への負担も気になっているのです。
人物の姿も、チームで形にする

これは主人公トーリの初期キャラクターデザインです。
全身や後ろ姿に加え、衣装、小物、色の指定が描かれています。

アンガスの初期デザインにも、顔や衣装、武器の形が示されています。
綾峰さんは、長月さんが作ったキャラクター設定をもとに、人物の姿をデザインしています。
編集者の中畑さんが二人の間に入り、人物を動かしやすくするための案も交換しているそうです。
好きだった少女漫画と、縦読みの余白がつながった
新しい媒体の中には、綾峰さんが親しんできた表現と合う部分もありました。
タテラボの本人インタビューでは、少女漫画が好きで、『ウィングス』の作品をよく読んで育ったと話しています。
綾峰さんが縦読みの魅力として挙げるのも、余白を使い、感情や時間の流れを見せやすいことです。
綾峰さんは、少女漫画が感情を表すために余白を生かすことと、縦読みの余白の使い方に共通点があると考えています。
少年漫画を描いてきた綾峰さんにとって、Webtoonは好きだった少女漫画の表現にもなじむ媒体だったのです。
長いコマや台詞の配置を使った具体的な工夫は、ネームを設計図と考える理由で紹介しています。
まとめ
DMから始まった縦読みの仕事には、慣れない作業の大変さと、好きだった表現を使える面白さがありました。
綾峰さんが親しんだ少女漫画の余白は、新しい仕事でも、感情や時間を見せるための手がかりになっています。
初めての媒体で、綾峰さんは、これまで好きだった漫画の見せ方も試しているのです。


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